こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループの
税理士法人トップ財務プロジェクト代表の岩佐孝彦@税理士です。
新型コロナ感染の余波が止まりません。
所得税確定申告期間も延長になり、4月16日まで。
弊社も来週より時差出勤の措置へ。
昨日は、東京へとんぼ返りで行ってきました。
東京五輪はどうなるのか??
中止の可能性も取り沙汰されています。
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今回の新型コロナ問題は、
中世ヨーロッパの社会情勢と重なります。
当時、黒死病(ペスト)が蔓延しました。
ペストの発生源は中国・雲南省だったとか。
それがヨーロッパに広がり、
3人に1人の死亡者を出しました。
ペストによる人口激減に伴い、
国力が衰えてもおかしくない状況へ。
しかし、当時のイタリアでは、
「再生」
を表す芸術運動が興ります。
人口減少社会の中で、
生産量を増やす必要がなくなる。
その結果、1人当たりの所得が増える。
そして社会は成熟し、
人々は余暇を楽しむようになる。
芸術文化にお金が回るようになり、
「ルネサンス文化」
が花開いたと言われています。
ルネサンス時代には、
次の新たな思想が生まれました。
『ヒューマニズム = 人間主義』
これは、人間中心の思想です。
フランスのモンテーニュなどの
ヒューマニストに引き継がれていきます。
ヒューマニズム(=人間主義)は、
M&Aで今求められています。
中小企業の後継者難を背景に、
M&A市場は活発化しています。
しかし、買い手側から見れば、
買収後の経営がうまくいかない。
そんな例が多いとか。
日本に限らず、米国でも同じようです。
組織コンサルティング大手の米国コーン・フェリー社。
同社のケアリー副会長によれば…
M&Aの7割は失敗。
20年前はそんな傾向が見られたとか。
今でも、M&Aの失敗は多いそうです。
その原因は何なのか?
それは買収交渉時に、
『人間主義』
の視点が欠落していたからです。
ケアリー副会長はこう述べています。
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恋に落ちたように、
急いで判断するのはよくありません。
買収を考えた際に、
対象企業の人材の誰が残るのか?
一方、誰が去っていくのか?
デューデリジェンスはやっていても、
こうしたことを
多くの企業は調べていないのです。
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買収による経営者交代に伴い、優秀な人材が退職する。
こうした事態は十分起こり得ります。
業績を牽引してきた人材も、
前経営者だったからこそ働いてきた。
しかし、トップが交代し、組織の風土や文化が変わるなら、
もうこの組織では働けない。
前経営者を慕っていた人材ほど、
そう思うのは当然でしょう。
しかし、買い手側はトップ同士の会談で
舞い上がってしまう。
仲介会社も商談をまとめようと必死で営業してくる。
その結果、買収後に計算が狂い、
“貧乏くじ”
を引くのは買い手側である。
そんな事例が多発しているのです。
世界の投資家で有名な、
ウォーレン・バフェット氏。
彼は最も多くのM&Aを成功させました。
大富豪のバフェット氏と言えば、
“お金の天才”
のイメージが強くあります。
M&Aの際には買収対象企業の
▼財務内容
▼資産状況
を最重要視すると思われますが…
実際には以下の視点を
最も重視しているそうです。
▼相手側にどんな人材がいるのか?
▼どういう組織になっているのか?
▼バリュークリエイター(価値創造者) は誰か?
▼本当に必要な「2%」の人材は誰か?
こうして買収先の人材について、
深く把握することに努めているのです。
日本の組織論には「2・6・2の法則」があります。
優秀な人材は、上位20%。
そんな法則ですね。
ただバフェット氏は違います。
優秀な人材の割合は20%どころか、
「2%」
と定義づけています。
さすが、シビアな数値です。
(笑)
バフェット氏もM&A成功のポイントとして、
『ヒューマニズム = 人間主義』
の視点を持ち合わせているのです。
新型コロナの問題は、
日本人にとって国難です。
コロナ倒産も見られます。
ただペストが蔓延した当時のイタリアのように、
変革のチャンスにすべきです。
経営者にとって今重要なのは?
嵐が過ぎ去るのを
静かに待つことではありません。
これまでのやり方を見直し、
果敢に変革へ乗り出すことです。
今日も社長業を楽しみましょう。