こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループの
税理士法人トップ財務プロジェクト代表の岩佐孝彦@税理士です。
先日、東京出張でした。
医療法人向け資産防衛セミナーの講師を務めるためです。
東京駅前に東京五輪開催までのカウントダウンの
大きな時計がありました。
そんな中で、先日東京五輪のマラソン開催地が札幌へ。
日本陸運の幹部からは、今回の正式決定に戸惑いの声。
「4年も5年も前から選手やコーチ、スタッフは準備してきた。
ここで覆るのは極めて遺憾だ。」
「IOCの言うアスリートファーストは、
本当のアスリートファーストではないと思っている。」
「急に札幌に行けと言われても、
なかなか頭の中が切り替えられない。」
真夏の炎天下の中でのレースがゆえに、
多方面で物議を醸しています。
ただ『種の起源』で有名な格言あり。
「最も強い者が生き残るではない。
唯一生き残ることができるのは、変化できる者である。」
日本人ランナーには是非、札幌の地で頑張ってほしいですね。
:
:
:
クライアントの中には多数のランナーがいらっしゃいます。
ホノルル、神戸、大阪など各地のマラソンを完走した。
そんなニュースを毎年耳にし、敬服の限りです。
マラソンはレースの前・中・後の
『補給』
が大切であるといわれます。
レース前にアミノ酸。
レース中の給水はこまめに行う。
レース後は30分以内に糖質とタンパク質。
フルマラソンは長距離・長時間にわたり、
運動し続けるスポーツです。
ゴールにたどり着くためには、エネルギーを計画的に、
『補給』
する必要があるのです。
経営においても『補給』が大切である。
そう認識させてくれる名著があります。
『補給戦 ~ 何が勝敗を決定するのか』(中公文庫)
著者は、マーチン・クレフェルト氏。
著名な戦史家でいらっしゃいます。
ナポレオン戦争から第二次世界大戦の
ノルマンディ上陸作戦に至るまで代表的な戦闘について、
『補給 = 兵站(へいたん)』
という観点から徹底分析されています。
古今東西、戦争の勝敗を分けたものとは?
本書では以下のように述べられています。
…………………………………………………
第二次世界大戦よりもはるか昔から、
戦争のあり方を規定し、その勝敗を分けてきたものは何か。
それは戦略ではなく、兵站だった。
兵士1人あたり1日3000Kcalの
食糧をどれだけ前線に送り込めるか。
そうした補給の限界が戦争の形を規定してきたのである。
…………………………………………………
兵站とは何か?
戦場において戦闘部隊の後方に当たる。
そして、人員・兵器・食料などを補給する。
そうした後方連絡線の確保にあたる活動機能のことを言います。
実は、戦争理論を構成する、3つの要素があります。
▼戦略
▼戦術
▼兵站
エリート達が優秀な頭脳を駆使し、
壮大な戦略を立案する。
しかし、多くは机上の空論で終わる。
現実の戦いは常に不確実であり、戦略通りになど行かない。
計画の実行を阻む予測不可能な障害や
過失、偶発的出来事に満ち溢れている。
戦史家のアントワーヌ・ジョミニ氏は、
こんな有名な格言を説いています。
…………………………………………………
プロは兵站を語り、素人は戦略を語る。
…………………………………………………
現代の経営においても戦略よりも、
『補給 = 兵站』
は極めて重要度を増しています。
兵站(=経営資源)と見立てれば、
▼ヒト
▼モノ
▼カネ
▼情報
になるでしょう。
上記4つの『兵站』の中で、
▼大増税時代 ⇒ カネ
▼人手不足時代 ⇒ ヒト
という外部環境が起因しています。
ヒト&カネ(=兵站)をどう確保するか?
今日の時代の変わり目の中で、
経営者に求められている命題です。
今日も社長業を楽しみましょう。