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『危機管理3原則』をお金の世界に落とし込む

こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループの
税理士法人トップ財務プロジェクト代表の岩佐孝彦@税理士です。

“ミスター危機管理”の異名を持つ。

そんな佐々淳行氏が提唱された『危機管理3原則』

を中小企業の資金繰りに落とし込んでみましょう。
 

▼公助 ⇒ 中小企業倒産防止共済(法人版緊急予備資金対策)

⇒ 小規模企業共済(個人版緊急予備資金対策)

▼互助 ⇒ 民間の経営者保険(合法的な簿外資産の形成)

⇒ 金融機関からの融資(無借金経営に固執しない)

▼自助

⇒ 経営者個人の私財(法人を守る最後の砦)

 

 

上記の中で特に【公助】については全ての経営者にマストです。

(注)

医療法人の場合、加入不可ですので、
理事長先生の皆様はご了承下さい。

 

 

 

中小企業倒産防止共済も小規模企業共済も運営主体は国です。

独立行政法人中小企業基盤整備機構です。

この公的制度は緊急予備資金対策として打ってつけです。

なぜなら、下記のメリットをもたらすからです。

 

 

▼税効果

▼融資機能

 

 

まず【税効果】から見てみましょう。

 

 

▼中小企業倒産防止共済(法人版)

*上限:月額20万円

⇒ 年払い240万円

⇒ 全額損金計上OK

*合計800万円まで積立OK

*40ヶ月以上掛けた場合、いつ解約しても解約返戻率100%

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倒産防止共済は全損の生保が消滅した今、
希少価値が高まっています。

40ヶ月以上掛ければ、解約返戻率100%。

さらに月額掛金は上限の範囲内で毎年フレキシブルに変更OK。

つまり、5千円~7万円の範囲内で自由に設定できるのです。

例えば、今期は好調だったので…

上限いっぱいの月額20万円の年間240万円で行こう!

来期になったら、業績がダウンしたので、
今回は月額5千円の年間6万円に抑えよう!

こんなふうに毎年臨機応変に掛け金を変えることができます。

また、経理処理においても、会計上は資産計上。

法人税の申告書上、減算処理。

つまり、全損にもかかわらず、決算書を傷つけずに節税OK。

正直なところ、デメリットなし??

民間の経営者保険ではあり得ないメリット満載です。

しかし、100%完璧ではありません。

総合計で800万円までしか掛けることができない。

節税余地の大きい高収益企業には物足りない??

この点だけが残念!

以上、法人版緊急予備資金対策としての
中小企業倒産防止共済です。

 

 

 

続いて、個人版緊急予備資金対策の
小規模企業共済の【税効果】です。

 

 

▼小規模企業共済(個人版)

*上限:月額7万円

⇒ 年払い84万円

⇒ 全額所得控除OK

*将来解約時は『退職所得』扱い

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同じ掛け金84万円でも、個人で民間の生命保険に入れば、

『所得税法上の生命保険料控除4万円』

 

しか受けられません。

 

 

次に【融資機能】を見てみましょう。

 

▼中小企業倒産防止共済(法人版)

*解約手当金の95%を上限に融資OK

*金利0.9%

*無担保&無保証人

*貸付期間:1年

*返済方法:期限一括返済

 

 

▼小規模企業共済(個人版)

*掛け金の範囲内(7~9割)を上限に融資OK

*金利1.5%

*貸付期間:6ヶ月~60ヶ月

*返済方法(貸付期間12ヶ月以下)

⇒ 借入時に利息のみ前払い

⇒ 元本は期限一括返済

 

 

解約手当金の範囲内での借入ですから、
実質無借金と同じです。

さらに小規模企業共済加入者には、経済産業省より今回、
特別な救済措置が発表されました。

 

*岩手県
*宮城県
*福島県
*茨城県
*栃木県
*群馬県
*埼玉県
*東京都
*神奈川県
*新潟県
*山梨県
*長野県
*静岡県

 

において災害救助法が適用された各市区町村で被害を受けた、

『小規模企業共済契約者』を対象に、

 

▼即日
▼低金利

 

で中小企業基盤整備機構が融資を行う災害時貸付が適用されます。
https://www.meti.go.jp/press/2019/10/20191015010/20191015010.html

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168万部のベストセラーとなった詩集『くじけないで』

で知られる詩人(御年99歳)。

柴田トヨさんは東日本震災直後こんな言葉を残されました。
 

…………………………………………………

無理をしないで。

差し伸べられる助けの手に甘えてほしい。

…………………………………………………

 

中小企業倒産防止共済と小規模企業共済は、
この精神が宿ったシステムです。

 

【公助】の制度で、万一の時に甘えられる。

 

“助けの手”を積極的に活用しましょう。

小規模企業共済に未加入の経営者は年末までにぜひ加入を!

個人の税金計算は暦年(1~12月)です。

今から加入し、年内に年払いすれば、
税効果を早速今年から受けられます。

経営者ご自身だけでなく、奥様など同族役員も加入OK。

ただそうは言っても、官”だけでは、
スケールメリットが得られません。

民間の経営者保険独自の機能もあります。

 

 

よって、緊急予備資金の形成には“官民一体”

の合わせ技で実行して下さい。

 

防災関連の優遇税制も今年度に誕生しています。

 

 

『中小企業防災・減災投資促進税制』

 

 

として、令和元年7月19日施行。

出来立てホヤホヤの新税制です。

具体的な内容は以下の通りです。

 

 

▼特別償却20%

▼機械装置100万円以上

(例)

*自家発電設備

*排水ポンプ

*制震・免震装置

*浄水装置

*揚水ポンプ

▼器具備品30万円以上

*すべての設備

▼建物付属設備60万円以上

(例)

*キュービクル式高圧受電設備

*変圧器

*耐電設備

*電力供給自動制御システム

*照明設備

*防水タンク

*火災報知器

*スプリンクラー

*消火設備

*防水&防火シャッター

 

 

 

この制度の適用を受けるには『事業継続力強化計画』

を経済産業局に提出し、
認定を申請する必要があります。

組織として防災機能を強化したい。

そんな経営方針をお持ちの場合、ぜひ活用して下さい。

 

 

多くの経営者はともすれば、「短期で成果の出る」

安直な方法を追い求めがちです。

危機管理や防災強化は地道な活動です。

中小企業倒産防止共済や小規模企業共済にカネを回すぐらいなら…

 

 

「高級車や交際費にカネを使った方が
ワクワクするよ。」

 

 

という経営者が多いかもしれません。

 

 

実は、ジェームズ・クリアー氏の著書、

『複利で伸びる1つの習慣』(パンローリング刊)

の中でこんな記述があります。

 

 

…………………………………………………

たとえ今、少し貯金したからといって、
まだ億万長者というわけではない。

3日続けてジムに行っても、すぐに体形は変わらない。

今夜、中国語の勉強を1時間しても、まだまだ身につかない。

少々習慣を変えても、結果はすぐに表れないので、

いつもの生活に戻ってしまう。

しかし、今成功しているか、そうでないかは問題ではない。

重要なのは、習慣が自分を成功へと
導いているかどうかである。

…………………………………………………

 

 

ジェームズ・クリアー氏は、アメリカの
習慣術の達人と言われています。

彼のアカデミー卒業生は1万人超を誇る。

彼曰く、勝者も敗者も目標は同じ。

目標は成功の要因ではなく、
その結果へと導くプロセスとのこと。

毎日成長し、成功へ向かう「仕組み」こそが大切である。

そう説いておられます。

 

 

先日ノーベル化学賞を受賞された吉野彰氏。

現在のリチウムイオン電池のもとになる
電池を開発したのは何と、

今から34年前の昭和60年だとか。

吉野氏がもし短期の目標だけを
追いかけていらっしゃったら、

今日の受賞はなかったかもしれません。

日本人の誇りですね。敬服の限りです。

昨年ノーベル生理学・医学賞を受賞された本庶佑氏。

本庶氏の名言に以下があります。

 

…………………………………………………

教科書に書いてあることをすべて
信じてはいけない。

教科書がすべて正しかったら、
科学の進歩はない。

定説を覆すことで新たな世界が広がる。

…………………………………………………
 

お金を稼ぐだけが経営ではありません。

お金は残さなければ意味がありません。

稼いだ利益の一部を緊急備資金として蓄える。

そんな「仕組み」を内在させる。

これも一つの経営手腕です。

今日も社長業を楽しみましょう。

 

 

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