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【2019年経営計画考】治にして乱を忘れず

こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループの

税理士法人トップ財務プロジェクト代表の岩佐孝彦@税理士です。

年始に際し、経営者が目標を立てる時に留意すべきことは何か?

景気は循環です。

経済情勢は良い時もあれば、必ず悪い時もあります。

 

 

 

『易経』に孔子の言葉としてとして下記記載があります。

……………………………………………………

是の故に君子は安くして危うきを忘れず、

治にして乱を忘れず

……………………………………………………

 

この意味は以下の通り。

 

 

 

「君子は安全だと思っても、危険ではないかと用心し、

平和であっても、乱れるのではないかと用心する。」

 

 

つまり、世の中がよく治まって平和な時でも、

常に乱世になった時のことを考えて、
準備を怠ってはいけない。

これは、すべての経営者が心得るべき言葉ですね。

つまり、景気が良い時も悪い時も耐えられるだけの
カネを持っておくべし。

まさに松下幸之助氏の『ダム式経営』に相通じます。

よって、ストレッチ目標だけにとらわれることなく、

 

 

『今の景気の情勢がいつまでも続くこと
を前提とした中期経営計画を作るな!』

 

 

ということになるでしょう。

ストレッチ目標だけに立脚した、

 

 

▼売上&利益計画

▼設備投資計画

▼人員計画

 

 

には落とし穴が待っているかもしれません。

今年10月には、消費増税が待っています。

税率が8%から10%へ。

景気動向には政府の消費税対策で、
幸いにも大きな打撃はなさそうです。

しかし、中小企業の資金繰りには、

マイナスの影響は必至でしょう。

消費税は、税理士泣かせです。

法人税は、赤字なら納めなくてもOK。

しかし消費税は、赤字でも関係なく納税が生じます。

ある意味、怖い税金です。

 

 

消費税は、売上と同時に入ってくるお金です。

普通に考えれば、法人の損益とは一切関係なし。

消費税の納付額のメカニズムは?

顧客から預かった消費税額と、
自社で支払った消費税額の差額になります。

しかし、売上代金の回収にはタイムラグが生じます。

また、賃上げが叫ばれていますが、
人件費は消費税が対象外です。

つまり、人件費は消費税の経費性ゼロのため、

賃上げしても消費税は一切安くなりません。
よって、10%分の消費税をもし運転資金に使ったら、
納税資金に苦労することになるのです。

この対策としては、

 

 

▼納税資金専門の預金通帳を用意

▼毎月の支払日に売上に係る消費税分だけ資金移動

▼上記で納税資金をプールする

 

 

という方法しかありません。

 

 

 

医療業界でも昨年12月に、
厚生労働省から以下の発表がありました。

 

 

『消費税率引上げに伴う診療報酬改定で、
診療報酬本体に0.41%の上乗せを行う』

 

 

各科別の改定率は以下の通りです。

 

▼医科 0.48%増

▼歯科 0.57%増

▼調剤 0.12%増

社会保険診療収入は消費税が非課税です。

(注)自由診療収入は消費税課税

 

 

医療機関は患者から消費税が貰えないうえに、
支払いには消費税を支払うという『損税』になっています。

よって、この救済措置として消費税率の引上げと同時に、

社会保険診療報酬の引上げも行われるのです。

このように、消費増税は経営の現場で打撃が予想されます。

 

 

 

『治にして乱を忘れず』

 

 

この精神を常に肝に銘じておきましょう。

そう考えると、経営者の見栄消費は程々に…

ということになるかもしれませんね。

 

 

 

『易経』にはこんなくだりがあります。

 

……………………………………………………

財を理め、辞を正しくし、
民の非をなすを禁ずるを、義という。

……………………………………………………

 

「財を理め」とは、理財の語源です。

公明正大な経営をし、利益を得て、経済を発展させ、

そして、明確に伝わる言葉で、経営者の意思を示し、

対外的にも透明性を示すことである。

 

 

それができて初めて「民の非をなすを禁ずる」

すなわち、利益だけを追求せず、
組織の人間が過ちを犯さないように、
社員教育に力を注ぐことができる。

 

 

「義」とは、守るべき正しい筋道。

倫理教育をするとともに非をなす者を見逃さず、

罰することである。

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日本人の道徳教育はともすれば、
金儲けを悪だとする精神も見られます。

しかし、古代中国の『易経』は違います。

経営者は金儲けをし、利益を出さなければ、
正しい社員教育ができない。

そう説いているのです。

赤字では、確かに社員に賞与も出せない。

それでは、社員のモチベーションも上がりません。

そうなると、経営者の言葉に
社員は素直に耳を傾けないでしょう。

せっかくの社員教育も浸透しませんね。

易経の【理財】の精神はさすがに深い!

利益をしっかり上げなくては!

年始に改めてそう胸に刻みたいと思います。
組織について本質的に「考える」ことができるのは

経営者しかいません。

いかに優秀な社員にも「考える」という仕事だけは

任せることはできません。

経営者は経営者のやるべきことをし、
社員のやるべきことをしてはならない。

これが「社員に任せる」という論の本質です。

日本マクドナルド創業者の藤田田氏は、
かつてこう言いました。

 

 

……………………………………………………

ビジネスは「勝てば官軍」である。

企業は勝たなければならない。

勝つことによって、
社会に色々な主張が言えるようになる。

実績を上げられない経営者が
何を言っても、

負け犬の遠吠えとしか、
世間は見てくれないであろう。

敗者は滅びるのみである。

身を粉にするな。頭を粉にせよ。

最悪のあとには必ず、最善がある。

いかなる苦境にも屈しない強さを
身につけていれば、おのずと道は開ける。

……………………………………………………

 

 

 

「頭を粉にせよ」。

さすが、外食産業初の年商1,000億円を
達成した名経営者は違いますね。

私(岩佐)も年始に際し、
しっかり肝に銘じたいと思います。

今年も社長業を楽しみましょう。

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