こんにちは、大阪駅前の税理士法人トップ財務プロジェクトの
岩佐孝彦@税理士です。
今、どんな企業が伸びているのか??
経営者にとって興味深い記事がありました。
4月17日付の日経新聞朝刊一面に、
『総資産回転率』
のランキングが掲載。
売上高100億円以下の
上場企業979社の調査データです。
トヨタ自動車やソフトバンクと言われても、
規模がデカすぎて、ピンとこないのですが…(汗)
これは上場企業と言っても、中堅クラスなので、
大いに学びになります。
『NEXT1000』と銘打って、
日経新聞社が次代を担う企業として、
ランクインした上位3社は以下の通り。
▼第1位 総資産回転率 4.17回
キャリア(シニア向け派遣)
▼第2位 総資産回転率 3.61回
Orchestra Holdings(運用型広告)
▼第3位 総資産回転率 3.53回
レントラックス
(成果報酬型広告サービス)
総資産回転率とは、売上高を総資産で割って算出。
最小の資産で、最大の売上高を実現。
そんなスリムな財務体質であれば、高い数値となります。
日経新聞社の分析コメントは以下の通りです。
▼資産を多く持たない会社が
成長を加速させている。
▼人材派遣やインターネット関連企業
が上位に並んだ。
▼工場など大きな設備を抱えず、
身軽さを武器に素早く顧客ニーズに
応える新しい企業が台頭している。
上記は経営者にとって、大きなヒントになりますね。
また、ここで外せないポイントは何か??
1位の株式会社キャリアです。
http://careergift.co.jp/
シニアに特化した人材派遣業。
シニアが働きやすい職場を探す他、
派遣先で活躍できるように、企業に業務の分担などを提案。
同社の総資産回転率は同業最大手のパソナを上回るとか。
(敬礼!)
この現象から読み取れるのは、
【シニアの活用】
はこれからの組織設計において、
見逃せないトレンドであることです。
2013年に『高年齢者雇用安定法』の改正がありました。
これにより、65歳まで働く人が増えました。
企業は定年の引き上げなどで希望する従業員を雇う義務を
負うことになったのです。
内閣府の調査によれば、60~64歳では、
▼男性の74%
▼女性の51%
が就業しているとか。
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国策でも今、
高齢者の雇用に関する助成金は整備されています。
新年度スタートに伴い、助成金も新装されました。
2018年度の65歳超雇用推進助成金は以下の通りです。
▼65歳超継続雇用促進コース
*65歳への定年の引上げ
⇒ 10~150万円
*66歳以上への定年の引上げ
⇒ 15~160万円
など。
(注)
60歳以上の雇用保険被保険者数
に応じ、金額が設定されています。
▼高年齢者雇用環境整備支援コース
*機械設備・作業方法・作業環境の導入
*高年齢者の雇用機会を増大するための
雇用管理制度の導入
⇒ 支給対象経費の60%
(注)生産性要件クリア:75%
or
60歳以上の雇用保険被保険者数
に28万5千円を乗じた金額
(注)生産性要件クリア:36万円
⇒ 上記のいずれか低い額
(上限1000万円)
▼高年齢者無期雇用転換コース
*50歳以上
&
定年年齢未満の有期契約労働者
⇒ 無期雇用に転換
⇒ 1人あたり48万円
(注)生産性要件クリア:60万円
上記はいずれも、平成30年4月1日以降に適用されます。
ただし、高年齢無期雇用転換コースについては、
無期雇用転換日において、64歳以上の労働者は対象外です。
ご注意下さい。
ただ50歳以上の有期雇用契約労働者の存在があれば、
助成金受給の可能性があります。
生産性要件を満たせば、1人あたり60万円ですから、
対象者が3人いれば、180万円。
これは狙い目かもしれません。
ここ数年、50代や60代の中高年齢層がリストラと称され、
元気で十分働けるのに、数多く職を失いました。
とても残念なことです。
『社長のいき方』(PHP研究所)
日本経営合理化協会前理事長の牟田學氏の著書の中で、
こんな事例が掲載されています。
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商社に勤めていた高橋さんは、
62歳で勇退した。
そして、大好きだったゴルフに
興じることにした。
しかし、わずか4ヶ月後に急に
ゴルフがつまらなくなってきた。
そして、いつの間にか、
人材バンクに就職を頼んでみた。
職は嘱託で決まった。
思えば、家は妻の城である。
自分が粗大ゴミのように扱われることに
腹も立った。
男は働いてこそ、
初めてオヤジとしての威厳を保つ
ことができる。
新しい職場へは朝7時に着いた。
一番乗りである。
夜も8時9時まで
残業に関係なく働くことにした。
働くことは決して楽ではない。
苦しいことも多いが、
最初からビジネスには責任を持つ。
そんな覚悟をし、甘えは一切捨てた。
自ら発奮し、精神を高揚させ、
頭脳を磨いた。
シニア特有の頑固さや、
教えたがることなど
嫌われることは列挙して、
一切やらないと自ら戒めた。
やがて高橋さんは嘱託から、
今は常務になっている。
もう人生はここにしか残っていない
と思い、
ひたすら他人様の役に立つことが
一番だと決めたのだ。
ただ高齢者の能力は個人差が大きい。
注意深く面接し、
前職を活かせるか否かを判断し、
雇用すれば活かせる人材は多い。
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わが社にも今年、還暦を迎えるスタッフが2名います。
両名の貢献度は計り知れなく大きい。
社内では『両重鎮』と呼ばれています。
成熟した大人の言動は、日常業務ではもちろん、
企業カルチャーの醸成に大いに貢献してくれています。
上記の高橋さんは、わが社のH氏とY氏
と重ね合わせてしまいました。
HさんとYさん、日々お疲れ様です!
(笑)
世阿弥の『風姿花伝』には、
▼時分の花
▼まことの花
という言葉が出てきます。
『時分の花』とは?
若い生命力が持つ鮮やかで魅力的な花。
これは誰もが通過します。
一方『まことの花』とは?
自分という木の全体が枯れていくとしても、
そこでひそやかに咲き続けている花。
自分という一人の人間だけが持つ本質的な花。
世阿弥は人間の成長と花の成長を重ね、
年齢に応じた描写をしています。
50歳以上は、能役者人生の最後の段階。
父の観阿弥を思い浮かべながら、こう描いています。
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50歳を過ぎると、花も失せる。
ただそこには花が残っているはずだ。
その花はその人の本質であり、
個性そのものなのだ。
これこそ『まことの花』なのである。
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『まことの花』を持つシニア層。
彼らといかに出会い、多方面で貢献してもらうか?
ともすれば、私たち経営者は、
『時分の花』
だけに目を奪われがちです。
シニア層を敬遠し、
若年層の労働力確保だけに邁進する。
確かに人出不足時代の中で、
若年層は珍しく華やかで目を引きます。
もちろん、若年層の人員確保は、
企業経営の永遠のテーマでしょう。
しかし、世阿弥の言葉を借りれば…
『時分の花』
は本質的な人気ではなく、
一過性のものなのかもしれません。
人間誰しも年を取る。
いずれ消えゆく花なのです。
助成金をかしこく活用しながら、
『まことの花』
を持つ人材も戦略的に活用すべし。
2018年度の助成金を学ぶなら、
以下のセミナーにご参加下さい。
https://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=25442
……………………………………………………
■日時 5月16日(水) 14時~16時30分
■主催 大阪産業創造館
http://tfp-j.com/pdf/20180516_2.pdf
■テーマ
2018年度「人材助成金」活用セミナー
~人材育成への投資は今年がチャンス!~
■主な内容
1.顧客満足のために社員満足を犠牲にする
会社に明日はない
2.助成金は社員満足度向上のための
戦略的ツールだ!
3.今年度の“やりがい&安心度”を高める
助成金とは?
4.今年度拡充の税額控除をフル活用し、
財務基盤を増強せよ!
5.決算数字をこう改善できれば、
助成金の上乗せ措置あり
6.助成金と優遇税制はバラバラで取り組めば、
効果半減に注意!
……………………………………………………
講師は私(岩佐)と弊社の社労士(直江)
で務めます。
https://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=25442
私どもTFPグループの税理士法人と社労士法人共同で講師を
務めます。
主催の大阪産業創造館によれば、
すでに定員50名を超える申込み数だとか。
今年度の助成金を活用したい経営者はお急ぎ下さい。
今すぐお申し込みを!
https://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=25442
今日も社長業を楽しみましょう。