こんにちは、大阪駅前の税理士法人トップ財務プロジェクトの
岩佐孝彦@税理士です。
「春はセンバツから」
そう言われますが、
先日センバツ甲子園決勝戦が行われましたね。
大阪桐蔭高校、優勝おめでとうございます。
史上3校目の2連覇だとか。
夏の甲子園と比べると、
盛り上がりに欠ける感も否めないセンバツ。
ただセンバツには、夏の甲子園では、
決して味わえない醍醐味があります。
それは【21世紀枠】。
夏の甲子園は、厳しい地方予選を最後まで勝ち上がった
学校が自動的に出場権を得る。
ただ春は違います。
センバツという名の通り、高校野球連盟から
【選抜】された学校による大会であることが特徴です。
そして特別枠として『21世紀枠』の選考があります。
県大会ベスト16以上の成績を収めていることを条件に、
▼地域貢献性
▼自然災害などのハンディ克服
▼学業と部活動の両立
を考慮に入れ、全国で毎年3校が選ばれます。
「なんや、これ?」 相手チームの打者が驚く。
本来ならセンターに抜けようかという打球なのに…
遊撃手が正面でなんなくさばき、アウト!
なんと、遊撃手がセカンドベース後方に
守っているではありませんか??
3万3千人の観衆がざわめく。
「よし、レフト前ヒット! あれ?」
本来なら三遊間を抜ける打球なのに…
三塁線を大きく空けて、三塁手が三遊間に守っている??
記録はサードゴロで、アウト!
三塁側アルプススタンドの大歓声。
『Z』の人文字が大きく揺れました。
この光景は…
1回戦の膳所高校 vs 日本航空石川戦。
結局、試合は10対0で日本航空石川の勝利。
しかし、序盤の三回までは0対0。
全く互角の試合でした。
膳所高校の頭文字の『Z』。
▼帽子のZ
▼胸に刻まれたZ
Zのユニフォームの選手達の甲子園での
躍動ぶりは素晴らしかったです。
試合後、日本航空石川の中村監督は、こうコメントされました。
「本当に正面に行くことが多かった。
すごくはまっているなと、もやもやしていた。」
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滋賀県有数の進学校である県立膳所高校。
今年の21世紀枠の最後の1枠として選ばれました。
データ野球を駆使。
グラウンドを198分割し、
相手打者の打球の落下地点を分析。
素晴らしい頭脳野球でした。
2018年の県立膳所高校の大学合格者数。
▼京都大学 61人(全国4位)
▼大阪大学 41人(全国8位)
▼神戸大学 29人
膳所高校、すごすぎる…
センバツに出場したエースのT君は京大志望とか。
2年前の21世紀枠で出場した、
兵庫の県立長田高校。
2018年の大学合格者数。
▼京都大学 25人
▼大阪大学 49人(全国5位)
▼神戸大学 54人(全国1位)
当時2年生で2年前に甲子園に出場
した生徒も上記の中に入っています。
息子に文武両道の良いお手本を見せて頂き、感謝!
そして、もっとすごい文武両道の高校があります。
1年前の府大会ベスト8。
惜しくも昨年の21世紀枠選考もれの
大阪の府立北野高校。
2018年の大学合格者数。
▼京都大学 84人(全国1位)
▼大阪大学 79人(全国1位)
▼神戸大学 26人
北野高校、恐るべし。
1949年のセンバツの優勝校とか。
再び、いつかセンバツに出てほしいですね。
また、今年のセンバツでは、滋賀の県立彦根東高校
も進学校として話題になりました。
2018年の大学合格者数。
▼京都大学 11人
▼大阪大学 17人
▼神戸大学 29人
今大会で参考記録ながら、
9回ノーヒットノーランを達成。
左腕エースのM君も京大志望とか。
プロのスカウトも絶賛しています。
究極の文武両道ですね。
こうした文武両道の
強くたくましい球児達を見ると、
本当に元気がもらえます。
日本経営合理化協会の「後継社長塾」を
20年間にわたり担当。
300人以上の後継者を熱血指導。
御年75歳の辣腕コンサルタントの
井上和弘先生。
井上先生のご著書の、
『会社を上手に任せる方法』
にはこんな記述があります。
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私の実務経験から、
最適な後継者を選ぶ目の付けどころは、
次の要素しかないと考えている。
▼ゼニ儲けに強い
いくら情に強い人格者であっても、
ゼニ儲けができなければ、
ついてきた従業員を幸せにはできない。
▼健康でタフなこと
経営者は精神的にも肉体的にも
タフでなければならない。
親に財力ができ、
インテリの奥さんだったりすると、
幼少のころから名門幼稚園・名門中学に
入れようと学習塾選びには熱心でも、
頑強な体力づくりには関心を払わない
傾向がある。
幼少のうちは学力より優先させて、
まず体力をつけさせるべきである。
▼人見知りしないこと
経営者の仕事はさまざまな人間関係を
結ぶ仕事である。
よって、学力に優先させて、
ご近所の人たちや学校などで、
挨拶がきちんとできるように
しつけることである。
▼人を引っ張る力があること
幼少の頃より、地域の野球チームや
サッカーチームに入れたり、
ボーイスカウトのような団体活動を
経験させておくことが大事だ。
友達を作らず、ガリ勉の優等生には、
リーダーシップが育ちにくい。
こういう点で有名大学を出た優等生より、
むしろ暴走族のリーダーをしていたような
外れ者の方が統率力の面で優れている場合
があるほどだ。
▼人情に強い
経営者は従業員の上に立ち、
ご協力を得て、会社を引っ張っていく。
従業員も業者も、
トップを見て仕事をしている。
それには学歴も会社規模も関係ない。
この人のためなら努力を惜しまない
という情がなければならない。
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私も親として耳の痛い話ばかり…(汗)
反省が多いです。
ただ上記の井上先生のコメントは、
的を射ているのでは??
そう思わせる報道が3月26日付の
日経新聞に記載されていました。
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大塚家具は26日、東京都内で、
定時株主総会を開いた。
総会後に取材に応じた大塚社長は、
「経営は結果責任」
と述べたうえで、
16年から20%減額している
自らの役員報酬について、
今期中に、
「減額幅を40%にする」
と述べた。
参加した男性株主は、
「赤字の垂れ流し」
と現経営陣を批判した。
3期ぶりの黒字転換をうたう方針の
説明については、
「シナリオを読み上げているだけ
という印象。
今期は赤字幅縮小。
数年後にゼロにできれば、
良い方だろう。」
と切り捨てる株主もいた。
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同じ一橋大学出身でも…
三木谷浩史氏と大塚久美子氏では、
経営手腕の差は大きいように見えます。
中高一貫の名門女子校出身の久美子氏。
県立高校で落ちこぼれだった三木谷氏。
井上先生のお言葉が裏付けられる結果
になっています。
久美子氏は5人兄弟姉妹の長女。
元々は久美子氏の弟で、
長男の勝之氏を将来の後継者として、
創業者の父勝久氏は考えていたようです。
久美子氏が社長就任前には、
長男の勝之氏が資産管理会社の株式
を50%保有。
未来の後継者として、
計画的に生前贈与を繰り返し、
50%の株を長男に持たせていました。
しかし、長男は名古屋芸術大学卒業。
芸術肌の青年だったようです。
結局、父勝久氏は決断します。
長男は次期社長にふさわしくないと。
久美子氏は大学卒業後メガバンク勤務時代、
父勝久氏に呼び戻される形で、
大塚家具の社長に就任しています。
その久美子氏が社長就任の条件として、
父勝久氏に突き付けたのは…
長男保有の50%の株式を
久美子氏を初めとする兄弟姉妹4人に
均等に分配する
というものでした。
これが大塚家具の父娘のバトルの根っこ
にあるのです。
久美子社長もある意味、
本当にかわいそうな運命です。
幼少の頃より、将来の後継者として、
育てられていなかったかもしれません。
もし長男が次期社長の器だったら…
今日の大塚家具の悲劇は、
生まれていなかったかもしれません。
『金を残すは下。
仕事を残すは中。
人を残すは上。』
後藤新平氏(政治家)の
かつての名言が胸に響きます。
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このように考えると、
センバツ甲子園の21世紀枠で、
文武両道で躍動した球児たち。
本当に素晴らしい教育を受けてきた
と感心させられます。
何か“大物感”が漂っていますね。
わが家も爪の垢を煎じて、
飲ませて頂きます。
(笑)
今大会のセンバツでベスト8まで進出。
そんな強豪校の日本航空石川高校に対し、
データを駆使し、
セオリーを無視した、思い切った守備陣形で挑んだ。
そんな膳所高校の戦いぶりは、
孫子の兵法に相通ずるところがありました。
孫子の兵法にこんな言葉があります。
▼戦いは正を以て合い、奇を以て勝つ
この意味は以下の通り。
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戦いは堂々と相手と対峙し、
奇策をもって勝つものだ。
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これはすべての経営戦略に相通じますね。
膳所高校の『Z』のユニフォームは忘れません。
膳所高校の選手の皆さん、ありがとう!
今日も社長業を楽しみましょう。