こんにちは、大阪駅前の税理士法人トップ財務プロジェクトの岩佐孝彦です。
今日の一冊はコチラ!
『なぜ稲盛和夫の経営哲学は、人を動かすのか? ~脳科学でリーダーに必要な力を解き明かす~』
岩崎一郎(クロスメディア・パブリッシング)
それでは本日の赤ペンチェックを見てみましょう。
▼私の言葉には、エネルギーが飛び交っているという感じがするはずです。
(中略)それはまさに、昔から言う言霊です。言葉には魂があって、それが
飛び交うのです。
▼社内に人の和がないと、お客様に喜んでいただけるものはつくれません。
なぜなら製品にはそれをつくる人の心が反映されているからです。
ところが「オレがオレが」といった利己的な考え方では、社内に和をつくって
いくことはできません。
私たちが今日あること、そして存分に働けることは、お客様や取引先は
もちろん、職場の仲間、家族といった周囲の多くの人々の支援があるから
こそです。決して自分たちだけでここまでこられたわけではありません。
このことを忘れず、常に周囲への感謝の気持ちをもち、お互いに信じあえる
仲間となって仕事を進めていくことが大切です。
▼感謝の言葉がもたらすパワーとは
米国国立衛生研究所のザーン博士らの研究から、リーダーの感謝の気持ち
が深くなると、メンバーのやる気を引き起こす脳内物質ドーパミンの放出量
が増加することがわかっています。
日々感謝の気持ちを伝えることがメンバーのやる気を引き出し、積極性を
高める秘訣です。
▼大事なのは、「今あること・生きていることに感謝」という気持ちで
日々を過ごすこと。
▼「言行一致」が信頼されるリーダーへの第一歩
▼私(稲盛氏)は事あるごとに「世のため人のために尽くすことが
人間として最高の行為である」と言っています。
この「仲間のために」ということは「世のため人のために」尽くすという
ことに比べると狭い範囲の利他行ではありますが、たいへん大事なこと
なのです。
世のため人のために、仲間のために尽くすということは美しい心が行う
ものであり、また、それを行うことによってその人の心はさらに美しく、
かつ純粋になっていきます。つまり、人格を向上させていくために、
たいへん大事な行為であるわけです。
▼(下請けの卸値に)厳しい松下(電子工業)さんに部品を納めている
中小企業の親父さんには、二通りのタイプがありました。
三分の二くらいの人たちはたいへんな不満を持っていて、「松下も最初
は中小企業やったやないか。それがちょっと大きくなったら、威張りく
さって」などど、しょっちゅう文句を言っていました。
しかし、結局そんなところはたいていつぶれました。
私は、そんな文句を言っても始まらないと思い、「値切れるなら値切って
みろ。それでも自分は頑張る」とばかりに、最後には居直ってしまいまし
た。(中略)
大企業に値切られ、生き血を吸われると発想した経営者は自滅し、私の
ように「下請けいじめは愛のムチ」と発想してその困難に敢然と立ち向かっ
たところだけが生き残ったわけです。
京セラが今日、世界の電子部品メーカーとして力を蓄えられたのは、松下
さんのあの厳しい購買姿勢に鍛えられたからです。
▼京セラは、「フェアプレイ精神」に則って正々堂々とビジネスを行って
います。したがって、儲けるためには何をしてもよいとか、少しくらいの
ルール違反や数字のごまかしは許される、という考え方を最も嫌います。
スポーツの世界でも、反則やルール違反のないゲームからさわやかな感動
を受けるのは、フェアプレイ精神に基づいているからです。
誰であっても、矛盾や不正に気づいたら正々堂々と指摘をするべきです。
私たちの職場が常にさわやかで活気あふれたものであるためには、一人
一人がフェアなプレイヤーであるとともに、厳しい審判の目をもつことが
必要です。
▼「常に謙虚でなけれなならない」ということを私(稲盛氏)は強調して
います。素直であることと同様、謙虚であることも学びの源となります。
中国の古典に「謙のみ福を受く」という言葉があります。
傲慢な人間は幸運、幸福は得られない、謙虚な心の持ち主しかそれを得る
ことはできない、という意味です。
▼経営者にとってこのことは、自分の会社が良くなってくればくるほど
必要なことです。
中小企業の経営者でも、少しもうかりだしたらすぐに天狗になる人が
いますが、それではそれ以上の発展はありません。
せっかく神様が収益が上がるように、会社が立派になるようにしてくだ
さったのに、謙虚さを失い、傲慢になるものだから、たちまち赤字に
転落してしまうような羽目に陥るわけです。
常に謙虚であらねばならないということを、皆さんはぜひ肝に銘じて
ください。
▼部下の脳機能を高め、能力を最大限に発揮してもらうには、リーダーは、
日頃から部下を勇気づける言葉をかけて、「自分もやればできる!」と
感じてらえるような接し方をすることが大切です。
▼リーダーの率先垂範がメンバーを未来へ導く
(JAL)再建にあたった私(稲盛氏)自身の姿勢が社員の心を揺り動かした
ということもあったように考えています。
つまり、私が無給で会長職を引き受け、高齢でありながら、全身全霊を
傾けて、債権に取り組む姿が、有形無形の影響を社員に与えたのではないか
と思うのです。
▼皆さんは、従業員に給料も払っていますし、ボーナスも払っていますが、
そのような利害関係を超えて、経営者である皆さんに何としてもついていく
という従業員との関係を企業内につくらなければ、会社というものは決して
立派になっていかないのです。
心と心が通じあった関係、まざに一体感をもった会社、そういう組織を
つくっていく。(中略)
社長であるあなたに惚れ込んで、どこまでもついてきてくれる人たちを
つくり、そのようなすばらしい人間関係をベースとして、会社を発展させ、
彼らを幸せにしていかなければならないのです。(中略)
では、惚れてもらうためには、どうすればいいのか。簡単なことです。
己を愛していたのでは、誰も惚れてくれません。
己を空しくして、自己犠牲を払って、従業員のことを最優先に考える
のです。そうしてあげるから、みんな惚れ込んでくれるのです。
今日も社長業を楽しみましょう。