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こんにちは、大阪駅前の税理士法人トップ財務プロジェクトの岩佐孝彦です。

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『日経トップリーダー「あの会社はなぜ儲かるのか」』2016年7月号(日経PB社)

 

 

それでは本日の赤ペンチェックを見てみましょう。

 

 

 

特集:あの会社はなぜ儲かるのか

◆かね徳(珍味メーカー) 東村具徳社長

▼「今や社内の共通言語は貢献利益。取引先ごとの売り上げを覚えていない

ので、取引先の訪問前にパソコンを開いて金額を確かめているくらい。

それほど社員の意識を限界利益に振り向けることで、仕事の仕方が変わりま

した」

具体的には、営業社員が利益を稼ぐ方法を自ら考えるようになったという。

例えば、利益率の低い商品を大量に売るだけでは、さほど限界利益は増えない。

そこで利益率の低い商品を売るときは、利益率の高い商品とセットで勧める

などの工夫を始めた。

 

 

▼限界利益を社員全員で日々定点観察することで、13年6月期には黒字を

維持した。急激な円安を克服した体験を通し、東村社長には売り上げを

管理指標にする経営の限界を痛感したという。

「売り上げだけでは、儲かっているのかどうか分からない。商品ごとに

原価計算し、それぞれの限界利益を出すことで初めて、儲かっている理由、

儲かっていない理由を分析できる。企業の状態を正しくつかめる数字を

見極め、全社員でチェックすることが重要だ」

 

 

◆エス・エヌ・テー(古紙回収処理業) 篠田峰男社長

▼実は、この戦略を推し進める背景には、篠田社長の財務思考がある。

篠田社長は経営コンサルタントの故・一倉定氏らに師事し、早くから

月次決算を実施。10の指標を算出し、どうすれば経営効率を高められるかと

考え続けてきた。

 

 

▼エス・エヌ・テーは社員わずか7人、パートなどを含めても30人ほどの

中小企業である。

「この規模の会社ならば、神経質に数値をチェックしなくても経営できる

のでは」と思う人もいるのではないだろうか。

しかし、その考えは甘い。

ROA(総資産利益率)や流動比率などを毎月チェックするからこそ、儲かる

ビジネスモデルを確立でき、さらなる改良点はないかと、事業をブラッシュ

アップできる。

特に篠田社長が注視しているのは収益性の指標。

粗利益率、営業利益率、経営利益率、純利益率という4つの利益率だ。

 

 

◆酒井工業(橋梁メンテナンス業) 中辻浩一社長

▼「多くの会社は言ってみれば『パーセンテージ理論』で仕事を取る。

『1億円の仕事なら、15%の儲けとして1500万円は残るのでうまみが

あるな』と考えるのだ。けれど、終わってみたら、利益がほとんど

なかったというのはよくあること。はっきり言って、経費のシミュ

レーションが甘い」

 

 

◆弘輝テック(ハンダ付け装置メーカー) 森永治社長

▼数字で示せるようになったことで、社員にも具体的なことが言える

ようになった。

それが、報告会で社員に強調してみせた「危機感の欠如」「他人任せ

で責任者不在」「外注依存」という3つの問題だった。

危機感の欠如とは、「会社が儲かっているのかどうか、期中には経営

者も社員も誰も把握していなかった」(森社長)ということ。

そのため、営業員の値引き交渉も甘くなりがちだった。

さらに生産が外注依存で品質が安定していなかったから、手直しなどの

コストが大きく、利益は圧迫された。

 

 

◆仁張工作所(金属製ロッカー、オフィス家具等製造) 仁張正之社長

▼良い経営者は小心者である。

大企業から中堅・中小企業まで多くの経営者と接してみて感じるのがこれだ。

良い経営者は、現実に起きていることに疑問を持ち、将来には常に不安な

要素があることを忘れない。数値管理はその細心さを一段と研ぎ澄ますものだ。

 

 

▼「会計を未来のために使えるものにしよう」と決意したという。

その気持ちの奥にあったのは、「漠然とした不安感」だった。

「月次決算はしていたが、制度が粗くて同じ支出が月によって別の科目に

入っていたりしていた」と仁張社長。

これでは実態が正しくつかめない。毎月の数字がまとまるのも遅かった。

 

 

▼在庫や売掛金を減らし、運転資本を絞って資金の回収を早める。

取引先にもできる限り、支払いサイトを短くしてもらうよう依頼する。

一方で99年から毎年、半期、第3四半期、決算のそれぞれのタイミングで

「業績検討会」を開催。前の四半期の状況から、経営計画を達成するために

次に打つ手を議論し、実行するように変えたという。

 

 

特集:挨拶定着へ、鉄壁の指南書!

▼東京商工リサーチの友田信男情報本部長は「危ない会社を見分けるポイント

として、幹部社員の退職などと並んで、従業員の挨拶ができているかを必ず

チェックする。

挨拶の有無は会社に入っただけで分かる重要な指標だ」と話す。

挨拶で社員同士のコミュニケーションがよいか、社内の規律が整っているか

まで推測できるという。

 

 

◆ヤッホーブルーイング 井手直行社長

▼「最初に誰も聞いてくれなくても、僕は諦めないんです。社長が文化を

変えようなんて言い始めたら、社員の立場で考えれば戸惑うのは当たり前

です。その気持ちを理解して諦めずに待ち続ければ、3年目で成果が出始め

て、4年目くらいから社内の文化になり始める。そういうもんですよ」

 

 

▼「僕は社内を明るくする天才だったわけじゃない。苦手だったから、

最初はお通夜みたいな朝礼しかできなかったし、チーム作りの社外研修

にも通った。そんな僕でも社内の文化を変えることができた。

諦めなければその先にバラ色の世界が待っている。諦めなければ誰に

でもできることなんです。」

 

 

◆幸南食糧 川西修会長

▼幸南食糧が今も実践する「元気体温計挨拶」だ。

出社時と退社時に、顔を合わせた従業員同士が互いの目を見て体温が

伝わるようにしっかりと握手して挨拶する。

握手をするという動作があり、きちんと挨拶していることが互いに

はっきり確認できる。

しかも、握手を通じて相手の元気さが伝わってくる。

 

 

◆ケー・エス・ディー 小林達夫社長

▼ドンドン―。入口近くに設置した直径十数cmの太鼓を外出する社員が

叩くと、着席している社員全員から「行ってらっしゃい!」の声が上がった。

チリンチリン―。今度は、外出から戻ってきた社長がドアに取り付けられた

鐘を鳴らすと、全員が「おかりなさい!」と挨拶した。

 

 

▼鐘太鼓を用いた理由は、その音だけで社内が明るくなる上、挨拶の徹底を

確認する「証拠」になるからだ。

「ただ大きな声で挨拶するとだけ決めても、それが徹底できているか基準が

はっきりしない。鐘太鼓の音がしたら挨拶すると決めれば、ルールが守られ

ているかすぐ分かる」(小林社長)。

太鼓を鳴らさず出かけたり、太鼓の音がしたのに挨拶がなかったりしたら、

ルールの徹底を呼び掛ければよい。

 

 

▼「鐘太鼓の導入前は入口に立ち、挨拶ができない社員に指摘をしていたが、

お互いに疲れて長続きしない。確認の仕組みを用意してから、挨拶を徹底できる

ようになった」と小林社長は話している。

 

 

今日も社長業を楽しみましょう。

 

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こんにちは、大阪駅前の税理士法人トップ財務プロジェクトの岩佐孝彦です。

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なぜ稲盛和夫の経営哲学は、人を動かすのか? ~脳科学でリーダーに必要な力を解き明かす~』

岩崎一郎(クロスメディア・パブリッシング)

 

 

それでは本日の赤ペンチェックを見てみましょう。

 

 

▼私の言葉には、エネルギーが飛び交っているという感じがするはずです。

(中略)それはまさに、昔から言う言霊です。言葉には魂があって、それが

飛び交うのです。

 

 

▼社内に人の和がないと、お客様に喜んでいただけるものはつくれません。

なぜなら製品にはそれをつくる人の心が反映されているからです。

ところが「オレがオレが」といった利己的な考え方では、社内に和をつくって

いくことはできません。

私たちが今日あること、そして存分に働けることは、お客様や取引先は

もちろん、職場の仲間、家族といった周囲の多くの人々の支援があるから

こそです。決して自分たちだけでここまでこられたわけではありません。

このことを忘れず、常に周囲への感謝の気持ちをもち、お互いに信じあえる

仲間となって仕事を進めていくことが大切です。

 

 

▼感謝の言葉がもたらすパワーとは

米国国立衛生研究所のザーン博士らの研究から、リーダーの感謝の気持ち

が深くなると、メンバーのやる気を引き起こす脳内物質ドーパミンの放出量

が増加することがわかっています。

日々感謝の気持ちを伝えることがメンバーのやる気を引き出し、積極性を

高める秘訣です。

 

 

▼大事なのは、「今あること・生きていることに感謝」という気持ちで

日々を過ごすこと。

 

 

▼「言行一致」が信頼されるリーダーへの第一歩

 

 

▼私(稲盛氏)は事あるごとに「世のため人のために尽くすことが

人間として最高の行為である」と言っています。

この「仲間のために」ということは「世のため人のために」尽くすという

ことに比べると狭い範囲の利他行ではありますが、たいへん大事なこと

なのです。

世のため人のために、仲間のために尽くすということは美しい心が行う

ものであり、また、それを行うことによってその人の心はさらに美しく、

かつ純粋になっていきます。つまり、人格を向上させていくために、

たいへん大事な行為であるわけです。

 

 

▼(下請けの卸値に)厳しい松下(電子工業)さんに部品を納めている

中小企業の親父さんには、二通りのタイプがありました。

三分の二くらいの人たちはたいへんな不満を持っていて、「松下も最初

は中小企業やったやないか。それがちょっと大きくなったら、威張りく

さって」などど、しょっちゅう文句を言っていました。

しかし、結局そんなところはたいていつぶれました。

私は、そんな文句を言っても始まらないと思い、「値切れるなら値切って

みろ。それでも自分は頑張る」とばかりに、最後には居直ってしまいまし

た。(中略)

大企業に値切られ、生き血を吸われると発想した経営者は自滅し、私の

ように「下請けいじめは愛のムチ」と発想してその困難に敢然と立ち向かっ

たところだけが生き残ったわけです。

京セラが今日、世界の電子部品メーカーとして力を蓄えられたのは、松下

さんのあの厳しい購買姿勢に鍛えられたからです。

 

 

▼京セラは、「フェアプレイ精神」に則って正々堂々とビジネスを行って

います。したがって、儲けるためには何をしてもよいとか、少しくらいの

ルール違反や数字のごまかしは許される、という考え方を最も嫌います。

スポーツの世界でも、反則やルール違反のないゲームからさわやかな感動

を受けるのは、フェアプレイ精神に基づいているからです。

誰であっても、矛盾や不正に気づいたら正々堂々と指摘をするべきです。

私たちの職場が常にさわやかで活気あふれたものであるためには、一人

一人がフェアなプレイヤーであるとともに、厳しい審判の目をもつことが

必要です。

 

 

▼「常に謙虚でなけれなならない」ということを私(稲盛氏)は強調して

います。素直であることと同様、謙虚であることも学びの源となります。

中国の古典に「謙のみ福を受く」という言葉があります。

傲慢な人間は幸運、幸福は得られない、謙虚な心の持ち主しかそれを得る

ことはできない、という意味です。

 

 

▼経営者にとってこのことは、自分の会社が良くなってくればくるほど

必要なことです。

中小企業の経営者でも、少しもうかりだしたらすぐに天狗になる人が

いますが、それではそれ以上の発展はありません。

せっかく神様が収益が上がるように、会社が立派になるようにしてくだ

さったのに、謙虚さを失い、傲慢になるものだから、たちまち赤字に

転落してしまうような羽目に陥るわけです。

常に謙虚であらねばならないということを、皆さんはぜひ肝に銘じて

ください。

 

 

▼部下の脳機能を高め、能力を最大限に発揮してもらうには、リーダーは、

日頃から部下を勇気づける言葉をかけて、「自分もやればできる!」と

感じてらえるような接し方をすることが大切です。

 

 

▼リーダーの率先垂範がメンバーを未来へ導く

(JAL)再建にあたった私(稲盛氏)自身の姿勢が社員の心を揺り動かした

ということもあったように考えています。

つまり、私が無給で会長職を引き受け、高齢でありながら、全身全霊を

傾けて、債権に取り組む姿が、有形無形の影響を社員に与えたのではないか

と思うのです。

 

 

▼皆さんは、従業員に給料も払っていますし、ボーナスも払っていますが、

そのような利害関係を超えて、経営者である皆さんに何としてもついていく

という従業員との関係を企業内につくらなければ、会社というものは決して

立派になっていかないのです。

心と心が通じあった関係、まざに一体感をもった会社、そういう組織を

つくっていく。(中略)

社長であるあなたに惚れ込んで、どこまでもついてきてくれる人たちを

つくり、そのようなすばらしい人間関係をベースとして、会社を発展させ、

彼らを幸せにしていかなければならないのです。(中略)

では、惚れてもらうためには、どうすればいいのか。簡単なことです。

己を愛していたのでは、誰も惚れてくれません。

己を空しくして、自己犠牲を払って、従業員のことを最優先に考える

のです。そうしてあげるから、みんな惚れ込んでくれるのです。

 

 

今日も社長業を楽しみましょう。

 

 

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こんにちは、大阪駅前の税理士法人トップ財務プロジェクトの岩佐孝彦です。

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『人生の勝負は、朝で決まる。 「結果を出す人」が続けている52の朝の習慣 』

千田琢哉(学研プラス)

 

 

それでは本日の赤ペンチェックを見てみましょう。

 

 

▼生まれつき朝に強い人はいない。

大好きに生きるから朝が早くなる。

 

 

▼睡眠に勝る薬は、この世に存在しない。

 

 

▼睡眠は我々生物の活力の源泉なのだ。

「早起きは体にいい」とか「朝が勝負だ」という話を聞くと、眠い目を

こすってでも起きなければならないイメージがあるが、そうではない。

きちんとした睡眠を確保した上で早起きをすることを、あなたには忘れて

ほしくない。

 

 

▼出社時間は、人生の集大成だ。

 

 

▼寡黙なのに朝イチ出社の常連で、仕事でも淡々と成果を挙げ続けて

いたらどうだろう。

あなたはその人のことを「やる気がある人だ」と思うに違いない。

実際にはたいしてやる気がなかったとしても、いつも朝イチで出社する

ということは黙っていても周囲からやる気があるとみなされるものなのだ。

 

 

▼3時間残業するより、30分早く出社した方がお得。

 

 

▼「キミ、朝強いね」と言われたら、出世コースに乗っているということだ。

 

 

▼始業時刻までに、「やらなければならないこと」を終わらせる。

 

 

▼早朝からフル回転で頭を働かせているのだから、昼過ぎに眠くなって

くるのは当たり前だ。

 

 

▼好きなことを仕事にしている頭脳労働者たちにとって昼寝はアップの

ために非常に有効な行為だ。

きっとこれから日本でも知的産業を中心に、堂々と社員たちが昼寝できる

社風と環境が根づいてくるに違いない。

 

 

▼寝る前に覚えたことを朝にサッと復讐すると、グンと記憶が定着する。

 

 

▼ウトウトして踏ん張るぐらいなら、90分後に目覚ましをセットして

今すぐ眠る。

 

 

▼新幹線のグリーン席は、時間と空間への確実な投資なのだ。

一度グリーン席に座ればわかるが、まず車両の雰囲気が違う。

それは乗客のグレードが違い、醸し出す空気が違うからだ。

上のステージの空気に慣れていくその過程こそが、あなたを成長させるのだ。

 

 

▼旅先では、朝5時台の散歩が朝食を一層おいしくする。

なぜ朝5時台かといえば、朝6時台になるともう人々の生活が始まって

騒がしくなってくるからだ。

これが朝5時台だと外はまだ薄暗いが、生活音といえば朝食の準備を

している旅館の厨房と新聞配達の原付自転車くらいだ。

 

 

今日も社長業を楽しみましょう。

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こんにちは、大阪駅前の税理士法人トップ財務プロジェクトの岩佐孝彦です。

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辞めない採用、即戦力の育成で儲かる会社になる!』小山昇(あさ出版)

 

 

それでは本日の赤ペンチェックを見てみましょう。

 

 

▼人材難は会社が成長している証拠

実は人手不足はいい兆候です。人が足りないのは、会社が成長している証拠。

人材難は切実ながらも贅沢な悩みです。

一般的には売上が下がっているときは、人手不足になりません。

むしろ社内には、やるべき仕事がなくて遊んでいる社員もいる。

もし売上が下がって人手も足りないのなら、事業そのものが間違っています。

見込みのない事業は撤退して、売上が上がっている事業に人を割くべきです。

会社が人手不足に陥るのは、事業が拡大している時期です。

 

 

▼人材育成を怠る会社に未来はありません。

重要なのは、社長自らが動いて、採用と教育にお金と手間をかけること、

それを続けてこそ会社も成長できます。

 

 

▼頭がよくて方針に従わない人が、もっともタチが悪い

募集をかけて、次の4つのタイプの人が応募してきました。

「頭がよくて、価値観を共有できるひと」「頭がよくて、価値観を共有

できない人」「頭はそれなりで、価値観を共有できるひと」「頭はそれ

なりで、価値観を共有できない人」。

みなさんなら誰を不採用にするでしょう?

世の中の社長の多くは、まず頭の良し悪しで人材を判断します。

それは間違いです。

重視すべきは、頭のよさよりも、社長の方針を守れるかどうかです。

社員がトップと価値観を共有しないと、会社は危機に陥ります。

社長が正しい方針を打ち出したときはもちろんですが、社長が間違っている

場合も同じです。

 

 

▼大切なのは、会社として迅速に結果を出して、迅速に対策を打つこと。

たとえ社長の方針に異論があっても、それに従うのがよい人材です。

 

 

▼頭がよくて価値観が共有できない人は、方針のマイナス面を目ざとく

見つけ、他の社員を説得して自分の意見を通そうとします。

なまじ説得力があるだけにタチが悪い。

価値観が共有できなくても頭がそれなりの人は、方針のマイナス面が

わからないし、他の社員への影響力もない。

このタイプは薬にはならないが、毒にもなりません。けっして積極的に

採用すべき人材ではありませんが、頭が切れる人に比べたらまだマシです。

 

 

▼4つのタイプがいれば、まず採用すべきは「頭がよくて、価値観を共有

できる人」。

次に「頭がそれなりで価値観を共有できる人」です。潜在能力のある人を

育てられる環境があるなら、この順番は逆でもかまいません。

逆に採用すべきでないのは、「頭がよくて価値観を共有できない人」。

会社をガタガタにするので要注意です。

 

 

▼一流大学卒の人が仕事がデキるとは限らない

そもそも多くの社長は、いい人材について大きな誤解をしています。

「一流大学の学生=仕事がデキる」と考えがちですが、それは間違い。

学生時代の頭のよさと、仕事で使う頭のよさは別物です。

学生時代の頭のよさは、記憶装置の性能で決まります。

正解をいかに正確に記憶して、試験のときにいかに迅速に思い出すか。

それに優れた人がいい点を取ります。

仕事は違います。仕事に決まった正解はありません。必要なのは判断です。

判断のもとになるのは、過去の体験。

つまり仕事をするうえでの頭のよさは、体験の質で決まります。

 

 

▼男女同数にすると会社は伸びる

男女の比率も気にかけたいところです。理想は、やはり男女同数。

これには私の価値観が強く反映されていて、できれば社員に社内結婚

してもらいたいからです。

 

 

▼中途採用の場合、学歴よりも職務経験が大切です。

仕事の内容はもちろん、チェックしたいのは転職の回数。

1年に1回のペースで転職を繰り返している人は、採用しても辞めていく

可能性が非常に高い。

逆に2~3年に1回のペースの転職なら、いろんな仕事を経験したことが

プラスに出ます。20代前半の高卒なら、1~2回くらい転職している人の

ほうが活躍してくれる。

 

 

▼あとは履歴書の字を見ます。といっても、きれいかどうかは問題じゃ

ない。仕事は手書きではなくパソコンでもする時代だから、多少は字が

下手でも問題ない。私自身、社内でも1,2を争う字の汚さです。

見るのは、字に現れる性格です。線が細くて頼りない人は、気が弱い人が

多い。もちろん字だけでは判断しませんが、どこか安定感のない字を書く

人は、面接時に性格や精神状態を確かめる質問をしたほうがいい。

 

 

▼クラブ活動やバイト経験を重視する

社長の多くは、面接で応募者の「能力」を見極めようとします。

しかし、何度も言うように、能力は教育次第で伸ばすことができるし、

そもそも能力の高い人は中小企業に応募しません。

面接で見極めるべきは、「経験」と「価値観」の2つ、さまざまな経験

を積み、価値観が自社と合っていれば、それだけで採用です。

 

 

▼仕事は、1人の力だけでは成し遂げられません。上司や同僚、取引先

やお客様とのコミュニケーションがあって、初めて仕事は前に進みます。

コミュニケーションの力は、集団の中に身を置くことで磨かれます。

 

 

▼元暴走族だったわが社の社員が、どうして教育で伸びたのか。

「族」という集団にいたからです。同じ落第生でも、1人でグレて

部屋に閉じこもっていた人は、コミュニケーションの力がない。

根底にコミュニケーションの力がなければ、教育しても伸びません。

 

 

▼「こと」を直させるには、その場ですぐ叱るのが一番です。

間違いを犯した本人は、自分が悪いことをしたことに気づいていません。

だから私が叱って、その「こと」に気づかせる。

後から叱っても、何が悪かったのかが曖昧になって本人の自覚を促せません。

その場に他の社員がいても関係ない。人前も叱られることで骨身にしみるし、

他の社員にも悪い「こと」が伝わるので、むしろ好都合です。

 

 

今日も社長業を楽しみましょう。

 

 

 

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こんにちは、大阪駅前の税理士法人トップ財務プロジェクトの岩佐孝彦です。

今日の一冊はこちら。

 

 

『帳簿の世界史』ジェイコブ・ソール(村井章子:翻訳)(文藝春秋)

 

 

それでは本日の赤ペンチェックを見てみましょう。

 

 

 

▼会計責任とは、他人の財貨の管理・運用を委託された者がその結果を

報告・説明し、委託者の承認を得る責任を意味する。

 

 

▼よい会計は悪いことが起きたときに真実を教えてくれるが、ルイ14世は

都合の悪いことは見て見ぬ振りをしたくなったらしい。

あの有名な「朕は国家なり」という言葉は、本心だったのだろう。

 

 

▼国家の繁栄は会計によって決まる

会計責任を果たすことがいかにむずかしいかを知るために、700年におよぶ

財務会計の歴史をたどる。

会計は、企業の経営者や一国の指導者が現状を把握し、対策を立てるのに役立つ。

その一方で、会計がきちんとしていなければ、破綻に拍車をかけることになる。

 

 

▼繁栄する社会では、よい会計慣行や商業文化が根付いていただけでなく、

それを支える健全な倫理観や文化の枠組みが存在し、会計を無視したり操作

したり怠ったりしがちな人間の性癖をうまく抑えていた。

 

 

▼なぜルイ16世は断頭台へ送られたのか

最初に会計システムを開発し、財政と政治の責任を明確化したのは、繁栄する

商業国家だった。イタリアのジェノヴァ共和国では、はやくも1340年には市政庁

の執務室で大型の帳簿がつけられており、複式簿記で財政を記録していた。

厳正な会計はよき事業のみならず、よき統治に欠かせない。

 

 

▼君主にとって会計の透明性は危険だったし、たしかにそれも一理ある。

 

 

▼王家の財政の公表は、君主制の至上命令である秘密主義に反するという

理由からだった。

 

 

▼王家の収支と王国の危機的財政が財務長官ネッケルの手によって

初めて白日の下にさらされたとき、ルイ16世の神秘性は剥ぎ取られた。

のちに王が断頭台送りになったのは、このことにも一因がある。

 

 

▼会計の歴史を調べれば、組織や社会の浮き沈みを解明できると考えられる。

メディチ銀行、オランダ東インド会社、大英帝国は栄華を誇ったが、いまは

もう存在しない。つまり、繁栄ののちに衰退したのであり、会計はどのストー

リーでも重要な役回りを演じてきた。

 

 

▼マルクスやウェーバーは会計をどう見ていたか

複式簿記なしには近代的な資本主義は成り立たないし、近代国家も存続できない。

複式簿記は、損益を計算し、財政を管理する基本的なツールである。

複式簿記では、現金の増減だけでなく、それに伴う資産の価値も表すことができる。

 

 

▼「創造的破壊」で名高い政治学者のジョセフ・シュンペーターは、会計を資本主義

の支柱と位置付け、経済学者が会計にあまり注意を払わないことを嘆いている。

 

 

▼見落されてきた複式簿記の重要性

しかし彼らが見落していたことがある。それは、政治の安定は会計責任が果たされる

土壌にのみ実現すること、それはひとえに複式簿記に懸っているということである。

複式簿記は利益の計算に威力を発揮するだけではない。

 

 

▼古代アテネでは帳簿操作がはびこっていた

不正はある程度までやむを得ないとして容認され、むしろ厳格な監査はいたずら

に平穏を乱すとみなされた。歴史家のポリュビオスは、国家が監査官を10人雇って

公的監査を徹底したところで、人間が正直になるわけでなはい、頭のいい人間は

必ず帳簿を操作する、と示唆している。

 

 

▼アテネと同じくローマでも国家の会計はかなり杜撰で、不正が絶えなかった。

 

 

▼刺客を放ってキケロを暗殺し、その首と手を広場に晒したのである。

このぞましい出来事は、普遍の教訓を残酷に物語っている —  権力者に帳簿の公開

を迫ったら報復されるだけだ。

だが結局アントニウスは不正の報いを受けることになる。

 

 

▼巨万の富を築いたトスカーナ商人・ダティーニ

ダティーニの帳簿の数と広範な内容には圧倒される。これだけの帳簿を維持する

には、強固な意志と経営規律が必要だ。ダティーニはワインや豪華な衣装や

狩猟や女奴隷を楽しむ一方で、じつに熱心に几帳面に仕事をした。

部下の管理職の一人に宛てて、昼夜を分たず自分の仕事のことを考えよ、つねに

メモをとれ、心覚えとして帳簿をつけよ、と手紙を書いている。

自分の家が没落したり、自分の事業が破綻したりするのは、ダティーニに

とって悪夢である。この重圧は「耐えがたい」と心情を吐露した手紙も残って

いる。

事業を完全に掌握するために帳簿の整備は必要不可欠であり、彼は会計係に

ただ任せるのではなく、厳罰をもって臨んだ。

現金を実際に受け取る前に記帳してしまうといった「違反行為」は、1ソルド

の罰金である。

この罰には悔い改めさせるという宗教的な意味合いもあった。

これは「神聖な規則」だとダティーニは日記に書いている。たしかに、罰金は

効き目があったらしい。

 

 

▼快楽の追求と鉄の職業倫理

ダティーニの帳簿に目を通すと、近代的な会計と情報時代の誕生を実感できる。

われらがダティーニは、女奴隷を愛し、狩猟を好み、贅沢な衣装を身に着けていた。

それでも彼の帳簿は、西欧の初期の資本主義的職業倫理が、国際的な貿易を展開し、

キリスト教を信仰し聖人を愛し、コンスタンティノーブルとオスマントルコの影響

を受けたイタリアの商業世界で育ったことを教えてくれる。

イタリア人は共同出資方式や銀行や複式簿記といった複雑な仕組みを発明したが、

これらはどれも鉄の職業倫理を必要とする。

 

 

▼ルールは単純明 — とにかくすべてを誠実に帳簿に記帳することまちがいなく

集計すること、それだけである。もう1つ付け加えるなら、つねに心配し、つねに

注意しなければならない。

 

 

▼不安がダティーニを仕事へと駆り立てた。そしてきちんと帳簿をつけることで、

万事が秩序正しく保たれ、心の平安が得られた。

 

 

▼几帳面なダティーニは、複式簿記を励行している商人がほとんどいないことに

いつも驚いていた。ダティーニと取引のある商人なら、彼の帳簿を目にしていた

と想像される。

 

 

▼聖マタイが残した矛盾したメッセージ

正直者はきちんと誠実に帳簿をつけ、浪費を避けよと説く一方で、富は悪だと

決めつけ、その誘惑を断てと教えているのだ。

 

 

▼最後の審判に見る「心の会計」

神は言わば帳簿をつけていて、天国へ行く者と地獄へ堕ちる者との最後の

審判を下す。

 

 

▼とりわけフィレンツェでは、ダンテやボッカチオといった文豪が、人生の

儚さ、不完全で罪深い人間が払わねばばらない代償といったテーマを不朽の

名作に残した。人間は地獄へ落とされ、天国にたどり着くには煉獄山を登り、

犯した罪を浄めなければならない。

 

 

▼免罪符という発想

14世紀になる頃には、信心と善行と罪は、帳簿よろしく消し込むことが可能

になる。神に対して償わなければならない負い目について、教会が神の帳簿

の収支尻を変える方便を考案したからだ。

 

 

▼善行の代わりに金で埋め合わせることが可能になった。教会は、精神性の

源泉でもあるが、外交組織でもあり、そしてマネーマシンにもなったのである。

信心深い人ほど自分の犯した罪に見合う金額を持参して次々にやって来るため、

教皇庁の大広間には大勢の会計係が陣取っていたという。

ダティーニももちろん払った。さらに善行もしたし、貧者に寄付もした。

こうして自分の富と利益を心の会計とうまく釣り合わせようとした。

 

 

▼心の会計の借方と貸方と差引残高は、救済を得るために欠かせない。

 

 

▼自己の行為に対する責任の意識を人々に呼び覚ましたのは、神に対する

負い目という観念と審判に対する恐れだったと考えられる。

 

 

▼ダティーニの帳簿の収支尻がつねに黒字であることは、神に対する負い目は

増える一方であることを意味した。つまり帳簿は、利益を示すと同時に、罪の

償いとして神に払うべきものを示していたと言える。

「私は、およそ人間が犯しうる限りの罪という罪を犯してきた。自制ができず、

欲望を抑える術を知らなかった……だから、この償いは喜んでするつもりだ」。

 

 

▼いよいよ死を迎えるその日、ダティーニはなぜ死ななければならないのかと

考えたらしい。それなりに信心もしたし神に気前よくあれこれ捧げたというのに、

会計の達人としては、これでは帳尻が合わないと感じたのかもしれない。

 

 

▼一世代ですべてを失ったメディチ家

そして会計にも、事業経営を助ける一方で罠にもなりうるという二面性が備わ

っている。メディチ家の歴史を知り、この名家とフィレンツェとの力関係や

金融と文化に与えた絶大な影響をたどっていくと、このことがよく理解できる

だろう。ここフィレンツェの地でメディチ家は金融の力を誇示し、そして

会計をないがしろにする誘惑に屈した。

 

 

▼彼らはほとんどすべてを失ってしまう。

単に会計が杜撰だったからでなはい。後継者にとって会計が必須の知識である

ことを忘れてしまったのだ。

その結果、メディチ家の権力には、銀行業の裏付けがなくなった。この変化は

必ずしも自ら選択したわけではないが、メディチ家自身が銀行を破綻させた

ことは事実である。

 

 

▼コジモの父は巨万の富を築き、ダティーニを上回る11万3000フロリンの遺産

を残した。

コジモの父はメディチ家を富裕にし、それを受け継いだコジモは銀行を一大国家

事業に発展させて、当時のヨーロッパで最高の富豪になった。

 

 

▼フィレンツェのあるトスカーナ地方は識字率がきわめて高く、商人の多くは

帳簿をつけることを通じて読み書きの能力を身につけた。

 

 

▼コジモはフィレンツェに恐怖をもたらした

これが地方で身を立てたダティーニと、銀行家一族の御曹司だったコジモの

大きな違いである。

コジモは抜け目なく用心深く権力の階段を上っていった、とマキアヴェッリ

は正確に描写している。だが彼は金を使って共和国の自由を損なう行為にも

およんだ。

 

 

▼美男すぎる男や豪華な服に目のない男は要注意だ。金を扱うのだから

危なっかしい人間は困るというわけで、コジモは人間性を厳しく見きわめ、

不正の兆候を見逃さなかった。

 

 

▼芸術のパトロンとしても活躍

コジモ自身の財産は、メディチ家および銀行の資産とほぼ同義語と言っても

よいのであるが、ともかく莫大であり、推測することしかできない。

1427年に定められた法律により、フィレンツェの土地所有者および商人には

国の税務監査を受けるために複式簿記の維持が義務付けられ、監査記録は

今日まで保存されている。

ダティーニもそうだったように、賢い商人は必ず帳簿を2冊つけた。

自分だけが見る秘密帳簿と、監査用のもっともらしい公式帳簿である。

 

 

▼商業教育の基本は帳簿であり、コジモのようにのちに経営者となるエリート

は若いうちに習得していた。家族経営の事業では、若い後継者は系列の店や

外国の支店で実地に学ぶ。

簿記は、経験を通じてしか身につかない。そこでフォレンツェでは、会計の

ゆたかな伝統を育てるべく、商業と簿記に関する法律を定めていた。

このように会計は、文化と法律の両方に根付いていたのである。

商人は信用状や手形を写したり書いたりすることから、帳簿をつけることに

至るまで、商売のイロハを実地に学んだ。

 

 

▼年度末に赤字になったり何か不備があったりすれば、支配人はフィレンツェに

呼び出される。

たとえば、ブリュージュ支店の総支配人トマソ・ポルティナリは、フィレンツェ

のメディチ家の居館であるリッカルディ宮に呼びつけられ、コジモとベンチの

前に立たされ、二人が一行一行帳簿を調べながら浴びせかける鋭い質問に答え

なければならなかった。

 

 

▼ルネサンスの開花を促す資金の捻出にも役立った会計は、次第に重んじられ

なくなり、それどころか下品で不道徳な習慣とさえみなされるようになっていく。

 

 

▼後の世代に受け継がれなかった会計文化

コジモは息子たちの将来に野望を抱くようになった。

おそらくは新プラトン主義に染まりすぎたせいで、あるいは自分の家系を王族の

ようにみなす驕りから、あるいは非現実的な自信過剰から、彼は息子たち全員に

は会計を教えなかった。この判断はメディチ銀行のみならず、フィレンツェその

ものの弱体化につながっていくとになる。

 

 

▼しかしジョヴァンニは享楽的なタイプで、帳簿のつけ方は知っていても、厳格に

帳簿を維持する几帳面さ規律に欠けていた。

 

 

▼サセッティは経験豊富な総支配人であり会計のエキスパートでもあるのだから、

帳簿にはっきりと表れていた危険な兆候に気づいていなければならなかった。

 

 

▼アダム・スミスが指摘したとおり、個人的な栄光を健全な事業運営より

優先する王族貴族は、よき銀行家にはなれないのである。

 

 

▼当代一流の銀行家だった老コジモは、新プラトン主義への傾向がその後

数百年にわたって会計と責任の文化を損なうことになろうとは、想像もできな

かったにちがいない。

だが実際には、彼が残した遺産の中で、この影響は最も強く最もしぶとかった

のである。

 

 

▼なぜ世界初の複式簿記の教科書は無視されたのか

16世紀に入ると、多くの国が騎士道精神を掲げる絶対君主を戴くようになり、

会計は身分の低い商人の技術であるとして次第にさげすまれるようになって

いったためである。

こうした背景から、強国の王でさえ、国家の財政を任せられる有能な会計専門家

をなかなか見つけられなくなった。

会計に対するこうのような偏見が、スペイン帝国の度重なる破綻の一因だったと

考えられる。

 

 

▼パチョーリは「会計の父」と呼ばれ、『スマム』は今日でも会計学の基礎と

されている。

パチョーリはトスカーナ生まれで、幾何学と代数学に精通し、かつ新プラント

主義に親しんでいた。この点では老コジモと同じ世界に生きたと言えよう。

 

 

▼パチョーリは幸運にも、会計の価値を認めてくれる人文主義者や政治指導者

に恵まれていた。

パチョーリは『スマム』の中でウェルギリウス、聖パウロ、マタイ、ダンテなどを

引用し、会計をまじめに励行する几帳面で慈悲心の篤い勤勉な者を神は認めて

くださると説いている。

きちんと帳簿をつけることは善の行いであり、勤勉、会計、利益は徳であるとの

世界観である。

 

 

▼メディチ家が破ってしまったルール

『スムマ』には資産と負債をつねに把握するための方法が説明されているが、

これは現代の資本主義においても欠かせない知識である。

商人は会計の第一歩として資産の棚卸しを行い、財産目録(bilancio)を作成

しなければならない。

家屋敷、土地から、宝石類、現金、家具、銀器、リネン類、毛皮類から香辛料

その他商品に至るまで、すべて書き出す。これが財産目録である。

あとは、支出と収入を毎日帳簿につけていけばよい。

帳簿は財産目録のほかに、日記帳(memoriale)、仕訳帳(giornale)、そして

元帳(quaderno)が必要とされた。

 

 

▼経営者は支配人の監査をしなければならない。

 

 

▼会計が社会に貢献することをパチョーリは願っており、『スマム』の第一章

では商人の心得を説いている。

「共和国を支えるのは商人である」とし、「法学博士を育てるよりよき商人を

つくるほうがむずかしい」と戒めた。

共和国の浮沈を握っているのは商人だとパチョーリは考えていた。商人には金銭感覚

と計算能力があり、繁栄を利する術も、戦争、飢饉、疫病を乗り越える術も知って

いる。共和国に必要なのは、教育水準が高く、己を律することができ、高い職業

倫理を備えた商人である、そうした商人は事業経営においても政府においても

役にたつ  — これがパチョリーニの持論だった。

とはいえ、会計に向き不向きがあることは、パチョリーニも認めていた。

怠慢でいい加減な人間は災厄を引き起こしかねない。

会計の規律は、共和国市民としての責任を果たすうえで欠かすことができない。

 

 

▼実業家はつねに自分の事業のことを考え、クリーンな帳簿をつけていれば、

税金も監査も恐るるに足らない。

 

 

▼商人の中には帳簿つけに向かない者もいる。何よりも大切なのは規律であり、

何一つ記入漏れがあってはならない。商談の内容も帳簿の欄外にメモして

おくべきであり、「商人は克明すぎるということはない」とパリョーリは

常々言っていた。

まして不正は大問題である。商人にとって、帳簿を二つつけることはかんたん

なことである。

 

 

▼さらにひどのは、帳簿が正しいと神に誓いながら、嘘を記入することだ。

会計担当者でさえ、ひんぱんに、それどころか組織的に、秘密帳簿をつけ、

徴税官の目から実態を隠した。ダティーニもコジモもそうしていた。

パチョーリは、帳簿をつける者はイエスの名を思い出すように、と忠告する。

「あらゆる取引はイエスの名の下に行うべき」であり、そのために帳簿には

十字の印を入れておくとよいという。

「神と利益の名において」は、そもそも公明正大とごまかしの両方に与して

いると言わざるを得ない。

 

▼宮廷人は思慮深く自分の感情と動機を隠し、意見を述べる前に熟考し、追従と

権力の世界を巧みに渡っていかなければらない。

さらに『宮廷人』で特徴的なのは、ノンシャランスを提唱したことである。

これは無頓着、無関心、投げやりというほどの意味で、何も努力せずとも

何でもできてしまうという貴族的な幻想の表れと言ってよい。

このような幻想は、几帳面な日々の簿記・会計に必要とされる職業倫理や、

計算や監査に要する蓄積と真っ向から対立する。

数字を確かめては記録する終わりのない作業のどこにも、ノンシャランスの

入り込む余地はない。

 

 

▼ウォールポールは、「どんな人間でも金で動く」という有名な発言で

応酬した。

 

 

▼このツールは、繁栄を約束し破綻から救ってくれる手段として尊敬

されていたが、人生が往々にしてそうであるように、浪費され、粗末に

扱われていた。

 

 

▼リーズで成功を収めた仕立て屋で非国教徒のジョセフ・ライダーは、

1739年の日記に、「人間を合理的な被造物としてくださった神の善」を

称えるために日記や帳簿をつけるのだと書き記している。

富は信心と几帳面な会計の産物とみなされた。

心の会計を日記に、財務を帳簿につけるのは、カトリック教徒だった

350年前の北イタリアのダティーニと同じだが、ライダーがダティーニと

ちがうのは、金儲けに後ろめたさを感じていなかったことである。

 

 

▼数学者で会計学者のウォルドー・トンプソンによる『会計士の知恵』

(1777年)がある。

会計なしには経営者は悪く言えば「当てずっぽう」、よく言っても「推測」しか

できないと強調している。

産業革命がはなばなしく進行する中、会計と経営は15世紀からさしたる進歩がなく、

今日ではあたりまえの原価計算でさえ行われていなかった。

定期的な決算の対象になるのは、原料、機械、賃金、配当といった目につく

ものに限られており、監査はほどんど行われていなかった。

 

 

▼フランクリンの帳簿を見ると、生活のあらゆる面を会計の原則に従って

管理していたことがわかる。

分散する興味を結びつけるものが会計だったと言えよう。

 

 

▼女性はみんな会計を教わるべきだと主張した。

家業を助けられるし、子どもにも教えられる、そうすれば「その家は富裕

になり、長らく優位を保つことができる」という。

 

 

▼フランクリンにとって、会計は生活の秩序を確立する重要な手段だった。

 

 

▼縦の列には曜日を書き入れて毎日この「帳簿」をつけ、徳を達成できなかった

曜日には黒丸を書き込んだ。神の審判に備えて、会計の手法を通じて用心深く

心深い行いを正したのだった。

 

 

▼ディケンズの父親は会計士だった

いますぐ生き方を変え、パチョーリの教えに従ってよき商人となり、

クリスマスには善行で帳尻を合わせなければならない。

 

 

今日も社長業を楽しみましょう。

 

 

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こんにちは、大阪駅前の税理士法人トップ財務プロジェクトの岩佐孝彦です。

今日の一冊はコチラ!

 

 

集中力を磨くと、人生に何が起こるのか? 千田琢哉(学研プラス)

 

 

著者の千田さんの本は読みやすく、エネルギッシュなので、とても好きです。

それでは本日の赤ペンチェックを見てみましょう。

 

 

 

▼学生時代から今日に至るまで、私のこの気持ちはずっと変わらない。

だから、一流になるためには何を磨けばいいのかを真剣に考え続けてきた。

最初にすぐにわかったのは、自分の勝てそうな土俵で勝負することだ。

自分が楽に勝てるということは、そこに才能がある証拠だからである。

 

 

 

▼では、その才能のかたまりの中で、あなたが抜きん出る方法とは何か?

人一倍、努力することではない。

そもそも努力など、プロなら全員、当たり前のようにしているから差がつかない。

才能のかたまりの中で抜きん出るためには、人生の集中力を極限まで発揮することだ。

集中力をどれだけ発揮したかで、一流と二流の差が生まれる。

集中力の序列がそのまま、実力の序列なのだ。

 

 

 

▼他人と競争すると散漫になり、自分と競争すると集中できる。

他人との競争とは、ピラミッドで社会頂点を目指し、身も心もボロボロになって、

敗北するまで戦い抜くということだ。

これに対して自分との競争とは、雲上の社会で極めて優雅に、自分の好きなことに

集中するということだ。

高度1万メートルの雲の上というのは、雨も嵐も雷も存在しない。

ただ静かに、透き通るようなブルーが一面に広がっているだけだ。

ここで大切なことは、ピラミッド社会の中でいくら生涯勝ち続けても雲の上には

永遠に届かないという事実である。

では、ピラミッド社会から雲上の社会に引っ越すには、どうすればいいのか?

 

 

 

▼それはピラミッド社会から脱出することである。

周囲のしょぼい他人と競争することから卒業して、昨日までの自分と競争するのだ。

こんなことは長期的成功者なら誰でも知っている事実だが、誰も教えてくれない。

なぜなら、世の中にはピラミッド社会で生きている人々が大半なのだから、その人

たちの人生を否定するようなことは、とても言いにくいのだ。

 

 

 

▼学校名を伏せて採用をした某有名企業もあったが、より一層、難関国立大学の

学生に集中してしまったという話もある。理由は明白だ。

たとえば文系で、数学と理科が受験科目に含まれているとか、理系で、古典と

社会が受験科目に含まれている受験生の場合、それらを一切必要としない圧倒的

多数の受験生に比べて、受験勉強の量が倍以上に膨らんでしまう。

入試に必要な科目数が多いということは、それだけ受験勉強の負担が膨大になり、

相当な集中力をもって、孤独に模範解答の暗記を繰り返さなければならない。

つまり、集中力が桁違いに鍛えられるのだ。

 

 

 

▼自分の勝ちパターンを把握しておく。

 

 

 

▼自分が集中できる食事と睡眠を、把握しておく。

 

 

 

▼ランチを食べたら必ず眠くなるのではなく、過剰な炭水化物を摂取することで、

激しい睡魔が襲ってくるのだ。

私の場合は「ランチ抜き」を基本にしてきたが、万一、口にするときは

「空腹でない状態」を維持するように小分けにして食べた。

たとえばランチを抜いた14時過ぎに、空腹で集中力を欠いてしまうと感じたら、

消化のいいゼリーやビスケットで、最小限の栄養補給をした。

それも、14時過ぎ、15時半頃、17時頃というように、3回以上に分けていた。

「やや空腹状態」が、私にとって最も集中力を発揮できる状態だったからだ。

 

 

 

▼メールの時間を減らすということだ。

まずはメールのやり取りをしていない間は、メールソフトを完全に閉じて

おくことだ。

そのうえで、企画書作成なら企画書作成に、専念することである。

プレゼン資料作成ならプレゼン資料作成に、専念することである。

 

 

 

▼メールをシャットアウトするだけで、あなたは驚くほど仕事に集中

できるはずだ。

 

 

 

▼クリエイティブな仕事をしている最中には、時間なんて意識しないことだ。

クリエイティブな仕事が一区切りついたら、自分のペースで軽く休憩する

のもいいし、まとめてメールチェックを済ませておくのもいい。

いずれにせよ、周囲に合わせて休憩するのではなく、自分の仕事のペースを

守ることだ。

社長が長者番付に載るほどの大富豪で有名な某先進的企業では、そもそも

ランチタイム自体が存在しない。

その理由は、社長自身がランチタイムなんてないほうが集中できるし、早く

帰ることができるからだということだ。

 

 

 

▼時間を計ると、仕事がゲームになる。

 

 

 

▼信頼できる本を、ひたすら反復する。

 

 

 

▼勉強のできない生徒ほど、英単語帳をたくさん持っているということだ。

これまでの私の周囲を振り返っても、これに例外がなかった。

勉強できない生徒は、必ず英単語帳の浮気をしていた。

そして英単語帳の浮気をする生徒は、他の参考書の浮気も、例外なく激しかった。

反対に一流大学に合格した優等生たちは、学校で配布された英単語帳1冊を

一途に反復し、ボロボロになるまで使い込んでいた。

参考書も浮気をせず、自分が信頼できる厳選された本を、ひたすら反復していた。

受験に限らず、あらゆる資格試験は合格点が満点ということはまずない。

 

 

 

▼4割を落としても合格できるのだから、信頼できる英単語帳を1冊だけ完璧に

仕上げれば、何も恐れることはないのだ。

 

 

 

▼勉強前には必ず換気しておく。

集中して勉強したければ、どんなに寒い冬でも勉強部屋は換気することだ。

 

 

 

▼勉強開始までに、部屋に十分な酸素を補充しておけばいいことになる。

私の書斎は24時間、365日、常に喚換気している。

窓を全開にしているわけではなく、天井に小さな空調機が設置されており、

潤沢な酸素で満たされている。

 

 

 

▼眠くなったら、即仮眠する。

たいてい1時間以内、通常なら30分以内にパチリと目が覚めるはずだ。

しかも、寝る前に暗記ものを頭に詰め込んでおくと、目が覚めてから

確認したとき、驚くほど覚えているという特典付だ。

なぜ仮眠が良いのか、その根拠を2つ、ここで再確認しておこう。

1つは仮眠することによって、心身共にリフレッシュして勉強に集中できる

ということ。

 

 

今日も社長業を楽しみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

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こんにちは、大阪駅前の税理士法人トップ財務プロジェクトの岩佐孝彦です。

本日の一冊はコチラ!

 

 

『40代を後悔しない50のリスト《時間編》』大塚寿著(ダイヤモンド社)

 

 

ドラッカーは『経営者の条件』でこのように言っています。

「成果を上げる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする」

すべての基本は時間なんですね。

それでは、本日の赤ペンチェックを見てみましょう。

 

▼40代を一言で表現すれば、それは「両立世代」だといえます。

「仕事と家庭」の両立から「自分の仕事と部下のマネジメント」の両立、

「自己実現と出世」の両立、さらには「夫と父」「妻と母」の両立まで、

一日中、天秤のバランスを取りながら過ごすことが求められるシビアな

世代です。

 

▼後悔しない40代の時間術『7つのルール』

①現実に即した作業時間や、自分の持ち時間を正確に見積もる

 

②見えない時間を【色分け】して見える化し、きちんと計画を立てる

ちなみに色分けとは、手帳などで色を書き分けるということではなく、

【出社前】【就寝前】【移動のスキマ時間】とか【企画をじっくり考える時間】

【報告書をまとめる時間】【のんびり過ごす自分時間】などのように、時間に

ラベルを貼って区分するという意味です。

 

③作業時間を区切り、【終わらせ方】を常に意識する

細かく分けた仕事を予定通り行うためには、一つひとつの作業に30分とか60分の

デッドラインを設定しておく必要があります。タイマーで作業時間を計るなどして

常にタイムリミットを意識した仕事のやり方を心がけることが求められています。

 

④自分にとって本当に重要なことを優先できるように【時間配分】を変える

 

⑤トレードオフの意識を持って【やめる】【捨てる】【数を絞る】

 

⑥ゴールを明確にした抜本的な【プロセス改善】を行う

分一人で仕事を抱え込んでいては遅かれ早かれパンクしてしまいます。

今とゴールを一気につなげられるような、達成への道筋を大きく変える工夫をする。

 

⑦習慣を手なずけ、パターン化によって生活をシンプルにする

 

 

▼忙しい40代でも時間を上手に使いこなしている人には、ある共通点があります。

それは「時間をねん出しよう」という発想ではなく、一日の時間割を「目的に合わせ

て作り変えている」ことです。つまり、時間を増やそうとするのではなく、自分の

持ち時間の中で、やるべきことに合わせて時間の配分を変えているのです。

 

 

▼Cさんは、帰りの時間を遅らせる元凶となっていたデスクワークを徹底的に午前中

に集約させて、その時間内で終わらせることを自分に課したそうです。それまでには、

残業のもとになる仕事を午後や夕方から始めて、結局終わらずに帰宅時間が遅くなる

という繰り返しだったそうですが、スタートを早めたことで問題はかなり解消したと

言います。

 

 

▼成果につながる仕事を見抜き、そこに集中力が最大化する時間帯を配分し、一気に

取り組む方法

①自分の【集中ゾーン】を最初に【コアタイム】として設定する

②やるべきタスク数を制限する

③他から邪魔されないように徹底ブロックする

 

 

▼頭を使う時間と手を使う時間、つまりは何かを生み出さなければならない【思考系の

仕事】と、書類作成やメール処理といった【作業系の仕事】といった色分けをしている

人も少なくありません。

 

 

▼予定を崩す原因

①見積もり時間が甘いこと

②想定外の仕事が生まれること

 

 

▼仕事は大体見積もった時間をオーバーしてしまうので、タスクの詰め込みスケジュール

を狂わす元凶です。Sさんの場合、午前中のコアタイムに重要度が高く、難易度の高い

もの、言い換えれば、最も頭の使う仕事を一つに絞って集中投下します。逆に生産性が

落ちる13時から15時30分には、外発的に集中力が高められるように来客のアポを入れたり、

顧客訪問や打合せを集約しています。さらに15時30分から終業時間までは、再び集中力が

復活して頭が切れてくるので、緊急度の高い仕事、例えば手際よく目の前のタスクを潰して

いくようなものや、判断業務、承認業務や部下のフォロー、午前中に折り返しにした電話へ

の対応、メールチェックなどもこの時間帯に行うようにしています。

 

 

▼勉強の時間を確保する方法

①勉強する【時間】と【場所】を固定する

②勉強時間を計画に組み込み【習慣】にする

③一度にすべてをやろうとせず【一点突破】から始める

 

 

▼【完コピ】がお勧めです。完コピとは、一つのものを繰り返して学ぶことですが、1冊の本

を暗記できるまで読み込む【バイブル読書】というやり方があります。たとえば、広告代理店

ならデビッド・オグルビーの「売る広告」だったり、何度も繰り返して読むこと、もしくは

常にそこに立ち戻って考えることです。それが新しいものに目移りして、時間を浪費せずに、

結果的に「物事の中心を捉える」上で最も効率的なのです。

 

 

▼身体をメンテナンスする時間を持つ方法

Jさんは今日強制的にジムに入会、週3回の予約をあらかじめスケジュールに組み込みました。

月水土の夜はジムの日と決めて、水泳とウエイトをメインに汗を流すようにしたのです。

 

 

この本を読んで、大いに時間管理について反省させられました。

今日も社長業を楽しみましょう。