» 2014 » 8月のブログ記事

こんにちは、神戸の税理士の岩佐孝彦です。

昨日の日経新聞にこんな記事が出ていました。

 

「銀行口座開設 本人確認厳しく」

 

記事によれば、資金洗浄・詐欺防止のために、例えば健康保険証など

顔写真のない身分証明書で口座を開く場合は追加の証明書の提出を

求める方針とのこと。つまり、原則として顔写真付きの身分証明書での

本人確認が必要になるそうです。

また、法人口座の場合は、口座を開く企業の株主を調べ、不正に使われる

懸念がないか点検することも求める方向とのこと。

 

確かに最近クライアントから、色んな声を耳にします。

「相続税対策で不動産管理法人を立ち上げるにあたり、法人口座を

開設しようとしたら、同族株主全員の住民票チェックなどの審査で

2週間かかる」

「法人の口座間の資金移動を経理担当者が窓口でしようとしたら、

社長の携帯に確認の連絡が入った」

「インプラント費用として200万円ほど本人が出金しようとしたら、

2時間も確認作業に時間を取られた」

などなど。

 

何か窮屈な世の中になりましたね…(汗)

実は来年度からの相続大増税などよりも、もっとともっと大事であり、

恐ろしいことが待っています。

それは、
▼マイナンバー制度

 

昨年【マイナンバー法】と【特定秘密保護法】という法律が 国会で成立。

マイナンバー制度とは、簡単に言えば、

国民一人ひとりに【12ケタの番号(企業は13ケタ)】を割り当て、

氏名、住所、生年月日、所得、税金、年金などの個人情報を一元管理するというもの。

つまり、

▼あなた自身    … 12ケタの番号

▼あなたの会社 …   13ケタの番号

という無味乾燥的な姿にされてしまいます。(汗)

なぜ、このことが恐ろしいのか?

それは今後、私たちのほぼすべての情報が国家を運営する
官僚機構に握られることになるからです。

どうして国は、国税局にこれだけ強力な権力を与えているのか?

答えは明快です。

税金が入らなければ、国家が成り立たないからです。

国家権力を突き詰めていけば、徴税権と警察権になります。

さらに削ぎ落とせば、徴税権が残る。

しかし徴税権を駆使するには、

国民が持っている資産、所得の正確な情報が必要になります。

この情報取集が、マイナンバー制度が導入されれば、
いとも簡単にできるようになるのです。

すでに行政は動き出しており、2016年1月からの運用
を目指しているとのこと。

2018年ごろまでに完全に軌道に乗るというスケジュール感か?

いずれにせよ、2020年の東京オリンピックの開催時には、
恐らく完全管理が実現しているでしょう。

ジョージ・オーウェルが 小説『1984年』で描いた、

【監視社会】

という世界に近づいていくことは間違いありません。

 

▼納税は国民の義務。

あなただけが課税をうまく逃れるという方法はありません。

しかし、自然体で無知のまま受け身で税金と付き合う、
というのは経営者として努力不足。

監視社会の中で、かしこく税金と付き合うには。

▼生きた税金の知恵を身につけ、正々堂々と
税効果チャンスを100%活かす

ことが大切、そんなふうに考えているのです。

経営で大切なのは【夢と、ロマンと、資金繰り】。
【社長業 = 環境変化適応業】

を肝に銘じ、今日も社長業を楽しみましょう。

こんにちは、神戸の税理士の岩佐孝彦です。

先週の井原西鶴の日本永代蔵『浮世草子』の一節、
『貯蓄十両、儲け百両、見切り千両、無欲万両」
のお話の続きです。

【見切り千両】をトップ自ら実践すると、
組織にムダ・ムリ・ムラが自然となくなります。
そんな風土が浸透するからこそ、数字は後から付いてくる。
筋肉質の財務体質はおのずと備わってきます。

▼経営は【掛け算】でも【足し算】でもなく、【引き算】である

ということ。

松井証券の松井道夫社長はこう言っておられます。

「過去の経営において、足し算の発想でやったことは
全部失敗だった。

しかし【引き算】でやったことは全部成功した。

外交セールスをやめる。
店舗を閉める。
揚げ句の果てに収益源である手数料も大きく値下げ。

当時は気が変になったんじゃないかと言われたが、

激しく変化する時代の中では、捨てるものの優先順位が
つけられるかどうかが最も重要だ。

もちろん何でも捨てればいいというものではない。

あふれる情報に翻弄され、捨てる決断が出来ずに、
得られるものばかりを考えていないか、
もう一度考えてみるべきだ。」

【引き算】の思想があれば、

▼最小の資本(ヒト・設備)で、最小の収益を上げる

という経営スタイルの道がおのずと広がっていくのです。

そして【見切り千両】の経営の先に初めて【無欲万両】が待っています。

「金と女は追いかけると逃げる」とはよく言ったもの。

特に「女」の部分は私も二十代を思い出すと、せつなくなりますが…(笑)

固定費がだぶつき、資金繰りが苦しくなると、利益至上主義に

どうしてもならざるを得ません。

そうなると経営者は心底から【無欲万両】の域
に進むことはできません。
結果として、

「お金は後から付いてくるものだ。
わが社はお客様に喜んで頂くことを第一にやっている」

という【本物】の経営を展開している会社には太刀打ちできません。
今日も社長業を楽しみましょう。

こんにちは、神戸の税理士の岩佐孝彦です。

井原西鶴の日本永代蔵「浮世草子」にこんな一節があります。

「貯蓄十両、儲け百両、見切り千両、無欲万両」

これはなかなかの名言。
中小企業の経営者のお金の法則に相通ずるところがある、
そんなふうに考えています。

「儲かってもいないうちから、節税のことを言う」

これは、ダメ経営者のパターンです。
経営者は、儲けてナンボ。
節税ばかりに頭が回って、お金を残す努力だけではダメで、
お金儲けをやらなければいけません。

よって、

「貯蓄十両、儲け百両」

と言ったのは、
貯蓄とお金儲けではお金の増えるスピードに格段の違いがあるから。

ここまでは経営者なら誰でも理解できるでしょう。

問題は「見切り千両」  というフレーズ。相場の諺にもあります。
損を見切るだけの勇気がなければ、もっと大損するのはよくある話。
ただ見切るという【決断】は、なかなか難しいものがあります。

特に社長が優柔不断に陥りがちなのが【ヒト】の問題。

▼流行遅れや陳腐化した在庫の値引き処分

▼不要な機械設備を廃棄

▼坪単価が安く、かつアクセスのしやすい場所にオフィス移転

こうした【モノ】には見切りがスムーズにできても、
【ヒト】の「見切り千両」にはどうしても優柔不断になりがち…(汗)
組織論には「2:6:2の法則」があります。
良くできる社員2割、普通の社員6割、出来の悪い社員2割に
どんな組織でも分布されるという法則ですね。
よって、出来の悪い社員が存在するのは宿命と言えるでしょう。

ただ会社経営にとっては「人件費 = 最大の固定費」。
働く人の生産性が落ちるから、会社がおかしくなるのです。
億万長者メーカーとして名高いダン・ケネディ氏はこう言っています。

▼雇用はゆっくり、解雇は素早く

彼によれば統計上、 終始お粗末な仕事をし、トップの指示に従わず、

職場にマイナス影響  を与えていると社長が気づいてから、

▼平均6~18ヶ月後にやっと解雇が行われている
とのこと。
彼はこの現象を「社長の怠惰」と断罪しています。

またもう一つの間違いとして、

▼思いつきで補充人員を採用する

ことを指摘しています。
問題のある従業員をやっと解雇すると、そこに欠員が生じる。
しかし多くの経営者は空きを見越しての行動を何もしてこなかったので、
緊急非常事態として急いで採用活動を始める。
ここでも「社長の間違いの元」と彼は断罪しています。

確かにダン・ケネディ氏の言葉は100%鵜呑みにできない
ところはあります。
アメリカと日本では、雇用の考え方が異なるからです。
特に近年の日本では「不当解雇」として労働者の権利
を主張する風潮も高まっているのは確か。

また「給与が下がったから、この職場をすぐ辞める」的な文化が
組織にできると、優秀な人財は定着しませんから、

▼グッド&ニュー … 毎朝のミーティング

⇒ プラス思考の文化の醸成(24時間に起きた良いこと・悪いこと)

▼バースデーサークル … 社員の誕生日に存在を承認

⇒ 「●●さんがこの世に生まれてきてくれて、ほんとによかったです。

なぜなら…」

といったような組織マネジメント手法は導入すべきです。
(わが社でも実践中。今では社内恒例行事。)

ただ【見切り千両】という視点で考えると、
【雇用はゆっくりと、解雇は素早く】というのは、
なかなか痛いところを突いています。心に刺さりますね…(汗)

このお話は次週に続きます。

今日も社長業を楽しみましょう!

こんにちは、神戸の税理士の岩佐孝彦です。

先日の日経新聞に、消費増税から5か月近くたった今、個人消費の

行方を握る労働者の賃金についての分析コメントが出ていました。

それによれば、

 

▼名目雇用者報酬 … 4~6月に前年同期比1.3%増

 

これは働く人すべての賃金総額です。

この数字を見れば、景気分析上プラスに解釈できそうですが…

注意すべきなのは、

【全労働者の賃金総額】よりも【1人当り賃金】の伸びは小さい、

ということ。

例えば、専業主婦が仕事に就くと、他の人の賃金は変わらなくても、

働く人が増えるので労働者全体の賃金総額は増えます。

 

この現象は中小企業経営においても、盲点となりやすいところです。

マクロ経済を分析する視点とは違い、中小企業経営の場合、

【賃金総額】の伸びより【1人当り平均賃金】の伸びの方が上回るべし、

私はこう考えています。

 

JALを再建され、今や中小企業経営者のカリスマとして君臨される

稲盛和夫氏の言葉に、

「企業経営の使命は、従業員の物心両面からの幸福の追求」

というものがあります。

しかし、その一方で私たち経営者には本能的に、

▼従業員数が多いほど儲かっていてカッコいい

という幻想があり、簡単にヒトを増やしてしまう悪癖(?)があります。

ここで敢えて“幻想”と表現したのは、従業員数の伸び以上に収益が向上

しなければ意味がないからです。

 

その会社の真の収益力を見るうえで大切なのは、売上の規模でも社員数でも

ありません。こうした数字は外から見えますが、所詮“表”の数字でしかない。

外からは決して見えない“裏”の数字【1人当り粗利益】がモノサシです。

しかし悲しい現実として、中小企業の1人当り粗利益の平均値は年700万円程度。

こんなレベルでは、経営者が食っていくだけで精一杯で、従業員の物心両面からの

幸福の追求など夢のまた夢…(汗)

私は常日頃より1人当り粗利益1500万円の経営をクライアントに提唱しており、

自分自身が経営する会計事務所でもそれを実現しています。

確かに人件費を増やしたり、人を増やした場合の優遇税制は下記の通り

存在し、近年アベノミクス減税として拡充しています。

 

▼賃上げ促進税制

⇒ 前期より人件費総額【2%以上】アップ…増加額の10%税額控除

(上限:法人税額の20%)

 

▼雇用促進税制

⇒ 前期比10%以上&2人以上の増員

⇒ 1人当り40万円の税額控除(上限:法人税額の20%)

 

ただ労働生産性のアップを無視して、やれ社員の待遇改善だの、やれ増員など

あり得ないということを肝に銘じたいところ。

これは「経営の理」ですからね。

今日も社長業を楽しみましょう!

 

 

五危

 

こんにちは、神戸の税理士の岩佐孝彦です。

わが社も世間同様、今日からお盆休み明けで通常営業モードです。

世間の風潮としてはアベノミクスの影響もあってか、【守り】より【攻め】の動き

が活発化しています。ただ【社長業=究極のハイリスク請負業】ですから、常に

危機管理にはアンテナを張っておかねばなりませんね。

 

中国古代の兵書『孫子』にこんな一節があります。

「将に五危あり。必死は殺され、必生は虜にされ、忿速は侮られ、

廉潔は辱しめられ、愛民は煩さる」

 

将には5つの危険があるという警告を孫子は篇の最後で語っています。

五危の第一は、必死になること。経営の現場では業績の苦しい社長が「起死回生の

大勝負の販促」や「乾坤一擲の投資」をすることがありますが、往々にして土俵際

に追い込まれた時の打ち手は失敗するもの。

やはり経営は、土俵の真ん中で相撲を取ることが大切ですね…(汗)

 

五危の第二は、必生であること。これも社長の陥りやすいワナです。

会社経営で最も大切なのは「会社を潰さず、存続させること」とよく言われます。

ただ会社存続を目的に設定すると、経営者が消極的になってしまい、進撃のチャンス

が生まれても、守りに入り、つい見送ってしまうというリスクもあります。

注意が必要ですね…(汗)

 

五危の第三は、忿速であることです。

忿速とは短気、怒りっぽいという意味で、カッとなって思慮に欠ける反応をすると

冷静な経営判断ができないことを意味します。

経営者は常に「クールヘッド・ウォームハート」が大切ですね。

 

五危の第四の「廉潔」と「愛民」は一見すると、将として望ましいと思われます。

「廉潔」とは、人格として欲薄く、清廉であること。

経営者がエゴむき出しで強欲に走るのはよくないと考えられがちですが…(汗)

「愛民」とは、兵士や民を愛する心が豊かであること。

経営に置き換えると、従業員を大切にすることのどこが悪いのか???

 

ただこれについて、孫子はこう述べています。

「廉潔」の場合、敢えてその将を辱めるような作戦を取ったり、その種の風評を流したり

すると、それに廉潔な将は耐えられず、自分の自尊心を傷つけられたように感じて、

敵の術中にはまる。

これを経営の世界に置き換えると、私は「社長のお金はエゴではない。会社を守る

最後の砦」と考え、従業員に遠慮せず、正々堂々と役員報酬を取るべきということです。

例えば、年商50億円の経営者の方が年商10億円の社長より役員報酬が少ないという

ケースもあります。年商50億の社長は会社の銀行借入10億円の代表者個人保証を

しているにもかかわらず…(汗)

まさに「社長業は世界一割に合わない商売」になりますね…(泣)

従業員の物心両面からの幸福の追求が企業経営の使命ですが、それにとらわれ過ぎたり、

金融機関の目を気にし過ぎて、薄給で社長給与を抑えるのは本末転倒ですね。

 

「愛民」については孫子はこう指摘しています。

兵士を救いたい気持ちが強いために、どこかを攻撃されるとすぐにそこの防御に走り、

戦自体負けにつながる。結果として、愛民にならない。

これを経営に置き換えると、従業員を大切にしようとするあまり、雇用の現状維持に

固執するあまり、改善レベルの打ち手に終始し、改革レベルの対策実行が遅れる。

結果として、会社の将来に影を落とし、優秀な人材の流出に歯止めがかからなくなる

というリスクが生じます。

 

孫子の言葉はやはり奥が深いですね。

今日も社長業を楽しみましょう!

 

こんにちは、神戸の税理士の岩佐孝彦です。

8月に入りましたが、

私たち中小企業経営者にとって今現在のトレンド用語は「人手不足」。

ここ最近の日経新聞記事を見ると…

「有効求人倍率、6月は1.10倍に上昇、22年ぶりに高水準」

「3割がバイト確保できず、リクルート人手不足調査」

「人手不足 業績を圧迫」

という見出しが目につきます。

多くの企業がいま、採用活動に躍起になっています。

 

ただこうした現象は裏を返せば、あらゆる組織で新陳代謝が起こっている

ことを示しているのかもしれません。

 

▼人材の新陳代謝のない会社は売上は伸びない

という理があります。

現実には同じ人が長く居座るより、
人が入れ替わった方が社内は活性化します。

そして、社内が活性化すれば、売上は伸びていくのです。

 

経済誌フォーチュンで「20世紀最高の経営者」に選ばれた、ジャック・ウェルチ氏

はこんな言葉を残しています。

 

「事業成長がし続けるには、毎年ボトムの5~10%の社員を入れ替えなければ

ならない。」

 

そして、彼は以下の「人材観マトリクス」を提唱しています。

 

<従業員区分>                <行動>  <考え方>

*A … 行動も価値観もよい人         〇       〇

*B … 行動はダメだが価値観はよい人     ×      〇

*C … 行動はよいが価値観がダメな人     〇        ×

*D … 行動も価値観もダメな人         ×      ×

 

<上記4人をどう評価するか?>

*A … 会社の将来を担ってくれる人材

*B … 有能な人材をつければ花開く人材

*C … 即座に辞めてもらうべき人材

*D … ゆっくり辞めてもらうべき人材

 

う~ん、さすが世界の名経営者のお言葉は深いですね。

特筆すべきは、(C)の人材の評価として「即座に辞めてもらうべき人材」

としている点です。

能力は高いけれども、熱意がなかったり、考え方がマイナスな日の存在は、

仕事の結果が出ないばかりか、能力が高ければ高いほど、周囲に悪影響を及ぼす

からです。

 

中小企業の経営者の悩みは詰まるところ、お金の問題か、人の問題に尽きます。

特に人の問題として、中小企業は人数が少ないので、会社の方針に従わなかったり、

価値観の違う人間がいると、会社全体がおかしくなっていきます。

逆に価値観が同じ人間の集団になれば、会社全体が明るく活発になり、社長も

自由自在に動けるようになり、事業が成長軌道にうまく乗っていけるのです。

今日も社長業を楽しみましょう。