» 2014 » 5月のブログ記事

こんにちは、神戸の税理士の岩佐です。

先日の続きのお話です。

 

予定納税というのは、前期の納税額をベースに計算されます。

消費税等(地方消費税含む)の場合、
予定納税は以下のメカニズムになっています。

▼前期の確定税額 60万円以下           … 予定納税不要

▼前期の確定税額 60~500万円以下   … 年1回

▼前期の確定税額 500~600万円以下 … 年3回

▼前期の確定税額 6000万円超     … 年11回

今回の増税により、事業規模が同じでも、
これまで予定納税の対象でなかった会社が、対象になる可能性がある、
ということを忘れてはなりません。

例えば、5%時に納税額が50万円の事業規模の場合、

「50万円 ≦ 60万円」 で予定納税不要だったのが、

8%納税時に「納税額50万円×1.6倍=80万円 > 60万円」
になり、予定納税の対象になるわけです。
この他にも、現時点で予定納税の対象になっている会社は要注意!

年1回の予定納税 ⇒ 年3回になったり、
年3回の予定納税 ⇒ 年11回になったり、

という場合も考えられます。

予定納税の金額は、年1回の場合だと、前年の納税額の2分の1。
しかし、予定納税は【5%】字の税額が基準です。
確定納税時には【8%】になるため、確実に予定納税よりも多い額になる。

ファーストリテイリングCEOの柳井正氏の著書『この国を出よ』(小学館)に
こんな興味深いコメントがあります。

「1980年代後半、利益の約60%を税金で取られた。
例えば、二年連続で利益が10億円出たとしましょう。
まず、この利益から6億円が法人税、事業税、法人住民税などに消える。

【予定納税】として、前年度の納税額の2分の1にあたる3億円を

当年度半ばに納めなければなりませんでした。
すると、感覚としては1億円しか残らない。」

予定納税の怖さを示唆した奥深いコメントだと思います。

特に平成26年3月決算の法人は、予定納税の基準となる消費税額はすべて5%、
平成27年3月決算ではすべて8%の計算になります。

例えば、平成26年3月期の納税額が100万円の事業規模の場合、

▼予定納税額 … 100万円 × 2分の1 = 50万円

▼消費税額(予定納税+確定納税) = 100万円 × 1.6 = 160万円

▼確定納税額 = 消費税額160万円 - 予定納税額50万円 = 110万円

実際に直接的な影響が出るのはまだ先ですが、 資金繰りに大きな影響が出るのは必至です。

私どものクライアントの皆様におきましては、消費税の納税資金の確保の準備
が手持ちキャッシュで現状どれだけ賄えているのか?
という部分も含め、顧問税理士として今後十分ケアしたいと考えております。

今日も社長業を楽しみましょう。

こんにちは、神戸の税理士の岩佐です。

消費税率アップしてから約2ヶ月となりましたね。
この増税が経営にどんな影響を及ぼすのか?

中小企業の消費増税の課題は大きく2つ。

▼増税分を価格に適正に反映できるか?
▼消費税の納税資金をどう確保していけるか?

これに尽きます。

まず、消費税というのは、

▼顧客から預かった消費税から、自社が支払った消費税を
差しい引いた金額を納税する

というメカニズムになっています。
つまり、売上にかかる消費税をそのまま納税するのではありません。

、、
増税された分は顧客に請求するわけですから、

消費増税になっても【税抜金額ベース】では損益に影響なし、
ということになります。

ただ実際の納税額には影響があります。
税理士から言わせると、消費税は赤字でもかかる税金。

実際の納税額の差をビフォアアフターで見てみましょう。

▼5%の消費税額(ビフォア)

*売上(税抜) 1000万円 × 5% = 50万円

*仕入(税抜)  500万円 × 5% = 25万円

∴納税額 = 50万円 - 25万円 = 25万円

▼8%の消費税額(アフター)

*売上(税抜) 1000万円 × 8% = 80万円

*仕入(税抜)  500万円 × 8% = 40万円

∴納税額 = 80万円 - 40万円 = 40万円

上記から言えることは、

▼税抜の利益金額500万円は増税前後で何ら変わりなし

▼納税額は【1.6倍】に膨れ上がる

ということです。

要は事業規模が同じであるならば、
税率が1.6倍(5%⇒8%)になるため、納税額も1.6倍。

しかしたとえ、事業規模が同じであったとしても、

【予定納税】が加わると、

資金繰り上、大打撃になります…(汗)

このお話は金曜日に続きます。

今日も社長業を楽しみましょう。

 

____ (3)

 

こんにちは、神戸の税理士の岩佐です。

私にとって先日の福井遠征でのオマケの収穫は、岩佐又兵衛の墓前に

手を合わせることができたことでした。

岩佐又兵衛は江戸時代の天才絵師といわれた人で、戦国武将の荒木村重

の長男として生まれたとのこと。

しかし、父・荒木村重が織田信長に謀反を起こしたとして母を殺され、

乳母と落ち延び、母方の岩佐の姓を名乗り、絵師として身を立てたという

人物です。

同じ苗字の歴史上の偉人として、以前から個人的に“気になる存在”でした。

今回偶然にもお参りできて、よかったです。

 

さて、経営者にとって会社のお金を守るために是非とも“気になる存在”として

マークしておきたいのが、日本政策金融公庫ですね。

今回の遠征でセミナー主催者として大変お世話になりましたが、

中小企業が絶対にお付き合いすべき金融機関です。

 

5月20日付の日経新聞にもこんな記事が出ていました。

 

「中小融資の保証縮小 全額から原則8割に」

 

民間金融機関を受け皿とする中小企業融資の保証先である、

信用保証協会の保証割合が縮小になるとのこと。

保証協会付融資は、民間金融機関にとって旨みのある制度です。

どこの金融機関も、こぞって営業を仕掛けてきますね。

銀行から見れば、何といってもリスクゼロで融資できるわけですから。

 

しかし、今後は全額の保証はされない方向のようです。

そうなると、ますます民間金融機関ベースの融資姿勢は慎重になって

いく可能性が高いです。

 

中小企業の資金繰りのツボは、万一の時にお金を引っ張ってこれる

ルートを複数持つこと。

過去の返済実績を重視してくれ、赤字や債務超過でも融資が受けられる

可能性がある日本政策金融公庫とは、社長が“気になる存在”として、

継続して定期的にお付き合いすべし。

今日も社長業を楽しみましょう。

 

 

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こんにちは、神戸の税理士の岩佐です。

今日は福井県へ遠征でした。

日本政策金融公庫・福井支店主催の若手経営者向けセミナーの講師を務めるためです。

 

地方に講演でおじゃまするときの恒例行事として、自分自身をその地域と同化するために

地元の神社に参拝し、身を清めております。

今回もJR福井駅前の柴田神社に参拝しました。

織田信長に仕え、猛将と言われた柴田勝家公が祀られています。

 

柴田勝家のエネルギーを拝受し、セミナーに臨みましたが、今回の参加者は日本政策

金融公庫の取引企業でいらっしゃいました。

私が寄稿した『社長のための経営ハンドブック』(日経BP社)の31頁にズバリこんな

記述があります。

 

(下記引用)

どこの銀行と付き合うべきか?これも大切です。

中でも、日本政策金融公庫とのパイプは緊急非常時に備えて、必ず持っておくべきです。

政府系金融機関は民間と違い、金利交渉の余地は全くありません。ただ政府系の場合、

赤字や債務超過でも融資を受けられることがあります。民間金融機関は、業績が悪くなると、

すぐに慎重な融資判断になりますが、政府系金融機関は過去の返済実績を重視してくれます。

(引用終わり)

 

私が提唱する【中小企業の危機管理3原則】があります。

①自助 … 社長のお金は会社を守る最後の砦

②互助 … 中小企業倒産防止共済などの共済制度の活用

③公助 … お上の力(政府系金融機関等)の活用

 

福井の成長意欲の高い中小企業を元気にする!

これを今回のセミナー講師の使命とし、無事終わることができました。

福井の経営者の皆さん、ありがとうございました!

今日も社長業を楽しみましょう。

 

 

Runner Crouching at Starting Line

 

こんにちは、神戸の税理士の岩佐です。

3月決算法人の申告期限が今月末に到来(厳密には6月2日)に到来します。

決算月を3月とする法人が最も多いのは、ご存じだと思います。

上場企業の9割以上、中小企業含めても全体の20%を占めます。

私どものオフィスでも繁忙期ということで、スタッフがみんな一生懸命

頑張ってくれています。

実は今回の3月決算(平成25年4月1日以後開始事業年度)から、アベノ

ミクスの新たな法人減税メニュー が目白押しとなっています。

経営者としては、要チェックですね。

具体的には下記の減税メニューによる税効果が3月決算法人よりスタート。

 

  ▼生産等設備投資促進税制(New)

    ⇒ 製造業の設備投資をに節税チャンス!

 

  ▼商業サービス業等の設備投資促進税制(New)

    ⇒ 卸売・小売・サービス業の設備投資に節税チャンス!

 

  ▼グリーン投資促進税制(Power up)

    ⇒ 太陽光発電などのエコ関連の投資に節税チャンス!

 

  ▼研究開発減税(Power up)

    ⇒ 製造業の新製品開発投資に節税チャンス!

 

 ▼雇用促進税制(Power up)

    ⇒ 新規採用による増員(前年比10%以上&2人以上)

         をした場合に節税チャンス!

 

 ▼賃上げ促進税制(New)

    ⇒ 従業員の賃金アップ(前年比5%以上)をした場合

       に節税チャンス!

 

 ▼接待交際費の損金算入枠の拡充((Power up)

    ⇒ 年間800万円まで100%損金OK!

 上記はすべて増税ではなく【減税】項目ばかり。

  使わない手はありません。

これらの減税メニューは、

 

  ▼決算日後の申告期限(期末から2ヶ月以内)まで

 

 のタイムラグがありますので、今からでも間に合います。

なぜなら、

  ▼税額控除

    ⇒  いったん計算された法人税額からもうひと押し

        ダイレクトに法人税額そのものを差し引いてくれる

     or

  ▼特別償却

    ⇒  通常の減価償却費(お金が出ていかない経費)に

        プラスアルファ

 という減税内容になっており、しかも、キャッシュアウトを伴わない減税メニュー

になっているからです。

これからの時代、日本は大増税を加速させます。

  ▼消費増税 … 先月より

  ▼相続増税 … 来年より

   ▼所得増税 … 来年以降より

 しかし唯一【減税】の方向が鮮明に打ち出されているのが【法人税】。

  日本の99.7%を占める中小企業は、社長個人と会社は表裏一体。

 「個人で払うか、法人で払うか、どちらが有利か?」

というスタンスで税金と付き合えるのは、社長の特権です。

よって、是非ともこの3月決算法人から税効果スタートとなる

新減税メニューは100%活用して下さいね。

今日も社長業を楽しみましょう!

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こんにちは、神戸の税理士の岩佐です。

先日、ホテルオークラにて日本生命・神戸支社主催の講演をさせて頂きました。

先月の三菱電機主催の講演に続き、2ヶ月連続のホテルオークラ参上。

演題は「社長の打つべき緊急財務対策」。

【緊急】というフレーズを入れておりますが、社長にとっては大変悩ましい言葉。

 

誤解してほしくないのは、ここでいう【緊急】とは、スティーブン・コヴィー氏の

ベストセラー「七つの習慣」でいうところの第一領域ではありません。

つまり、「緊急性が高く、重要性も高い領域」ではない。

 

あくまで第二領域!

緊急性は低いけれども重要性の高い領域を【緊急】に実行しようという主旨です。

講演の冒頭に申し上げたのが、

『皆さんにまず自問自答してほしいのは「追われる経営」をしていませんか?』

ということ。

 

「とにかく私は忙しいんです。」とトップが堂々と言うのは、

「私は経営者として無能です」と公言しているのと同じこと。

つまり、時間に追われ、スケジュールに追われ、自分でコントロールできない状態

になっているわけですね。

「いつも忙しい」と走り回っている経営者は【頭脳労働】というより【肉体労働】

をしているわけです。

なぜ、社内で最も時給の高い経営者が肉体労働をするのか?

 

それは、頭脳労働は肉体労働の【5倍】疲れるからです。

だから安易な道を選んで、従業員でも十分できるような仕事に時間をかける。

会社にとって最も大事な「経営について深く考える」仕事に時間をかけない。

一生懸命仕事をしているように見えて、実は頭を使っていないから、ラクしている

わけです。これでは会社は成長しませんね。

 

偉そうなことを言っていますが、これは5~6年前のまさに私の姿…(汗)

今はしっかり反省し、経営者のやるべきことをし、従業員のやるべきことを絶対に

しないということで組織の自動化が図れていますが…(苦笑)

 

また、社長にしか絶対できない仕事の一つに、

 

▼資源の再配分 … ヒト・モノ・カネの配分を私利私欲をはさまずにできるか?

 

ということ。特に今回の講演では【カネの最低配分】についてお話しました。

時間やスケジュールに追われるだけでなく、カネに追われるのは最悪です。

 

経営に大事なのは、夢とロマンと資金繰り。

夢とロマンだけで経営できれば最高ですが、

▼現金 = 現実

▼会社経営はお金で始まり、お金で終わる

という側面があります。

 

「社長業 = 未来創造業」であるべきで「社長業 = 金策業」になってはいけない。

今日も社長業を楽しみましょう!