こんにちは、大阪駅前の税理士法人トップ財務プロジェクトの

岩佐孝彦@税理士です。

GW後半、いかがお過ごしでしょうか?

 

日経新聞では先日の南北首脳会談の様子が
大きく取り上げられていました。

ただ“表”だけを見ていたのでは面白くない??

“裏”にこそ、真実がある??

というわけで、私(岩佐)は日経新聞裏面の

『私の履歴書』

の連載を楽しみに読んでいました。

4月は高田明氏。ジャパネットたかたの創業者です。

『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ』

そんな言葉を実践できる。

それがまさに『私の履歴書』なのです。

高田明氏は、TVスター経営者。テレビにMCとして自ら出演。

テレビ通販番組での会社の顔として、絶大なる知名度を誇りました。

よって「明氏の引退が会社の最大のリスク」とも言われました。

しかし、明氏はあっさりと社長の座を譲る。

2015年1月16日。

ジャパネットたかたは、父の明氏から長男の旭人氏へ社長交代。

なぜ、潔く息子に譲れたのか??

特に興味深かったのは次の記述でした。

……………………………………………………

息子だから譲ったわけではなかった。

どの会社にも企業理念はありますが、
ジャパネットには、

「クレド(Credo)」

と名付けた理念があった。

息子(旭人)は、
クレドを本気で理解していた。

毎日100~200の社員が送ってくる
メールに一つひとつ目を通している。

いつ読んでいるのだろうと
不思議に思うほどだ。

そういう仕事の仕方を見ていても、
よくできるし、

経営者として優秀だと思った。

コールセンターのトップにいた時は、
経営を勉強すると言って、

2年で中小企業診断士の資格を
取った。

やりだしたら徹底して、
やるところがあるのだ。

この人なら任せられると思った。

理念を継承していく。

息子であっても、
そんな覚悟のない人に託すわけには
いかなかった。

……………………………………………………

ジャパネットたかたの2016年12月期の経営成績は、

▼売上高 1783億円

▼経常利益 158億円

▼実質無借金経営

それなのに、意外や意外!? 非上場企業なのです。

上場しない理由として、
二代目社長の旭人氏はこう語っています。

……………………………………………………

上場したら、
株主配当などが先に立って、

長期的な視点で経営することが
難しくなります。

JリーグのVファーレン長崎の支援も、
株主から理解を得るのは難しいでしょう。

父がサッカースタジアムに行くと、
サポーターの皆さんがジャパネットの歌を
唄ってくれるんです。

そういう光景を私は見ていました。

だから、長崎でジャパネットを
育ててもらった恩返しとして決断しました。

こうした家族的な関係性を
大事にできなくなったら、

ジャパネットではなくなるでしょう。

だから私も父の時代と同様、
非上場を続ける方針です。

……………………………………………………

 

このように、ジャパネットたかたは
見事なまでに事業承継を行いました。

敬服の限りです。

同じく上場できる力がありながらも敢えて、非上場企業の道を歩む

有名企業が他にもあります。

例えば、アイリスオーヤマ。

2017年12月期の経営成績は、

▼売上高  1420億円

▼経常利益  136億円

▼実質無借金経営

ジャパネットたかたと同じような収益規模です。
社長は名経営者として名高い、大山健太郎氏。

今年7月には、長男の晃弘氏へ社長交代の予定。

大山社長は、東洋経済のインタビューで、
こう語っています。

……………………………………………………

長男は入社して15年、
海外の責任者としてやってきた。

これから伸びる事業として、
次期社長に適任だ。

ただ正直に言うと、
20年前から息子を社長にしようと
考えていた。

サラリーマンの中から選ばれてきた人は、
周りに遠慮しすぎて判断に時間を要する。

オーナーは判断を下すスピードも速い。

同族経営がネガティブに見られるのは、
情報をクローズドにするから。

当社は社員に対して、
情報をオープンにしており、

密室は一切ない。

上場の誘いもすべて断ってきた。

利益は社員が頑張って働いた成果。

それを配当に回すなら、
社員へ還元した方がよいと考える。

大事なのは、
創業の理念が引き継がれること。

そのためには同族経営がいい。

……………………………………………………

高田社長と大山社長はなぜ世襲で次期社長を選んだのか??

その理由として、両社長に共通する言葉が、

【創業の理念】です。

理念を大切にしたいからこそ、両社は敢えて上場の道を選ばない。

また、地域密着を大切にしている。

ジャパネットは長崎。アイリスは東北。

その他、息子を将来伸びる可能性のある事業の責任者として

経験を積ませています。

ジャパネットは、東京の統括責任者。

アイリスは、海外の事業責任者。

事業承継の在り方として、大いに学びになります。

 

いま中小企業経営者の中で絶大な人気を誇る、

小山昇氏(武蔵野社長)。

小山氏の著書(大和書房)、

『会社を絶対ダメにしない社長の“超”鉄則』

の中で、興味深い記述があります。

……………………………………………………

私はいつも社長(創業者)に
こんな質問をします。

「もし優秀な社員に会社を任せて、
倒産した場合と、

自分の息子(娘)を社長にして
倒産した場合、

どちらが納得いきますか?」
すると、みんな一様に

「息子(娘)に会社を潰された方が
納得する」

と答えます。これが親の心情です。

血筋とは面白いもので、

社長の息子や娘は、
実際に社長をやらせてみると
結構しっかりやります。

やはり、蛙の子は蛙です。

どんなに甘やかしていても、

中小企業の社長の血が流れて、
生まれてから、家で父親と母親が

お金の話をしたり、
社員の話をしているのを
聞いて育っています。

……………………………………………………

なぜ、同族が創業理念を最も忠実に引き継げるのか??

ジャパネットたかたも、アイリスオーヤマも、

息子を次期社長に選んだ理由がここに隠されている

のかもしれません。

 

「子供は親の背中を見て育つ」

これはオーナーファミリーでも当てはまる

ということでしょう。

 

しかし、息子がおらず、娘しかいない。

その他、子供がいない。

このような色んな事情で、同族の後継者不在の場合もあります。

その場合、すべてを解決してくれるのが、

【持株会社(ホールディングス)】

です。

 

ジャパネットホールディングス、アイリスホールディングス。

この2社の存在がそれを物語っています。

 

今日5月5日は子供の日。

というわけで、オーナー経営者にとっては、

『将来の事業承継シナリオ』

をじっくり考える好機かもしれません。

今日も社長業を楽しみましょう。

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