こんにちは、大阪駅前の税理士法人トップ財務プロジェクトの岩佐孝彦@税理士です。

私は先日の東京出張出張時の新幹線の車中で、この言葉に魂が揺さぶられる思いに駆られました。

 

「損得勘定だけでいえば、私は損な道を採っているのかもしれません。
でも、事業を承継する人はそういうものでしょ。

理屈じゃない世界というか、逃げることを許されない感覚がある。

職業選択の自由があるようでない。
やらなければならない気持ちにさせられてしまう。

そんな環境が、長期間にわたってつくられてしまいますから。」

 

 

これは大塚家具の大塚久美子社長が日経トップリーダー5月号のロングインタビュー
で語った言葉です。
『検証・大塚家具 父娘の対立の陰で進んだビジネスモデルの劣化』

という特集記事でした。

父娘の壮絶なバトルから2年。

あの事業承継は本当に正しかったのか?

2016年12月期決算で、45億円の最終赤字を計上。

大塚社長が進めてきた改革は間違いだったのではないかとの声が各方面で挙がっています。
大塚社長は、一橋大学卒業、富士銀行(現みずほグループ)を経て、大塚家具に入社。取締役総合企画部長兼経理部長を歴任。

まさにエリート街道まっしぐらの後継者。

素晴らしい! 羨ましい限りです。
しかし、経営の世界は奥深い。

高学歴のエリートだからと言って、優秀な経営者になれるわけではない??

日本経営合理化協会主催の「後継社長塾」。

この塾で30年以上の指導実績をお持ちの井上和弘先生。

井上先生は後継者に求められる資質として、
以下の6点を挙げておられます。

 

 

▼業績を上げた実績 ~ 金儲けに強い

▼健康でタフなこと

▼人見知りしないこと

▼人を引っ張る力があること

▼友達が多い ~ 人情に弱い

▼中長期展望と現実的な対応ができる

 

 

この中で、井上先生は、
「理屈で人はついてこない。

人は何でついてくるのかを若い時から体得させないと、
いつまでも本当のリーダーシップは身に付かない。
そこで、クラブ活動のリーダーをやらせたり、

地域の野球チームやサッカーチームで遊ばせたり、

ボーイスカウトのような団体活動を経験させておく
ことが大事なのです。」
と言われています。
私も息子の教育に際し、
爪の垢を煎じて飲ませて頂きます…(汗)
後継者の苦悩を乗り越え、経営再建に挑戦する。

大塚社長のそんな姿に共感を覚えます。

来期こそは是非とも黒字決算を!
一方、同じ家具小売業界で勝ち組にあるのは、ニトリ。

30期連続増収増益を実現。

これだけの連続記録は、ファーストリテイリングや良品計画
でも成し得ていません。

二代目社長の似鳥昭雄氏。

チェーンストア理論の第一人者である渥美俊一氏の薫陶を受け、 国内約400店、海外約40店と凄まじいチェーン展開。

素晴らしい! (拍手)
昭雄氏の経営手腕は見事の一言です。このように、同じ家具業界の後継者として、
業績向上に明暗が分かれた、 大塚家具とニトリ。

しかし、自社株の問題でトラブル発生…(汗)

親子間で骨肉の争いにまで発展。

これは2社に共通して見られます。
大塚家具は、社長の座を巡る、父娘の株主総会でのバトル。

ニトリは、昭雄氏が創業者の父から相続した自社株に際し、遺産分割協議書を捏造したとして、母や兄弟が訴訟を起こす。
どちらも記憶に新しいところです。
自社株には【財産権】の他、【支配権】があります。

34、51、67。

この数字を聞いて、ピンときますか??
ピンとくる経営者は会社法に明るい!

答えは、企業経営における株主としての議決権割合ですね。

大塚家具もニトリも、
まさにこの数字のために戦っていたようなもの。

 
▼67% … 株主総会の特別決議

*定款変更

*事業譲渡

*会社分割

*増資・減資

 
▼51% … 株主総会の普通決議

*役員の選任・解任

*配当の決定

*決算書の承認

*役員報酬の決定

 
▼34% … 拒否権

 

 

67%あれば、会社経営の根幹に関わる
重要事項はすべて決定できる。

51%でも、役員の人事権やお金に関する決定権
があります。

34%あれば、決定権限はないけど、Noとは言える。
次期後継者に67%を! これがベストシナリオです。

最低でも、51%を!

これがトラブル予防になります。
しかし、中には株主が分散している企業もあります。
ある会社の株主名簿には14人の名前が…

その理由を尋ねると、 こんな回答でした。
「私の祖父がこういうふうにしたんです。

株式というのは、饅頭みたいに、みんなで均等に仲良く分けるもんじゃ、と。

美味しい饅頭は一人で食べてはいかん、と。

これが祖父の口癖でした。」

 

 

しかし…

自社株は饅頭ではありません!(笑)
株主配当を出せば、株式は確かに美味しい饅頭 になるのかもしれません。

しかし、株主配当を支給すれば、自社株の価値はアップし、時価も上昇します。

 

【自社株=紙爆弾】

 

となって…

次世代への事業承継時に
相続税・贈与税の禍根を残すことになります。
企業は外からの攻撃に対しては、みな結束して一生懸命戦う抵抗力は強い。

しかし、内で揉めた場合はとても脆いのです。

今日も社長業を楽しみましょう!

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